『デクスター 警察官は殺人鬼』シーズン1、あらすじ、登場人物・キャスト、見どころ

前から見よう見ようとは思っていたものの、中々見るチャンスがなかった「デクスター ~警察官は殺人鬼~」をようやく見ることができましたので、まずはシーズン1のあらすじ・感想などを書いていきます。

※できる限りネタバレは書かないつもりですが、書いてあったらご容赦ください。

物語の主人公、デクスター・モーガンはマイアミ警察で血痕専門鑑識官をしていて、その分析能力は非常に高く、成績も学生時代から優秀でした。

しかし彼の裏の顔は、制御できない殺人衝動を持ったシリアルキラーで、ある特定のターゲットを用意周到に選び、そのターゲットの行動観察などを何日もかけて行います。

殺害時は麻酔を使ってターゲットを眠らせた後、ラップで縛り上げ床はシートで覆っておき血痕などの証拠を残さないようにしてから、ターゲットを殺害します。

その際ターゲットに、これまでの悪行写真を見せ、犯行を認めさせたのちに頬をメスで切り、その血をスライドグラスに保管してから殺害します。

そしてその遺体はバラバラにしてから、絶対に人目につかない場所に眠らせています。

デクスターの家のエアコンの中には、これまで殺害した数多くの血のスライドグラスがケースに入れられ隠されています。

そんなデクスターは4歳に孤児となり、警察官のハリー・モーガンに引き取られ、育てられていました。

デクスターが少年時代のある日、ハリーはデクスターが動物を殺害していることを知り、人間に対する殺害願望も持っていることに気付きました。

更にデクスターには他の人のような感情もないことも知ったのでした。

ハリーはデクスターが危険なシリアル・キラーとなることを恐れ、その殺害衝動で悪に染まり切らないよう、ハリーの掟を作り、殺人衝動は法では裁くことができない凶悪犯のみに向けることや、絶対に証拠を残さない方法、社会に自然に溶け込むことなどを教えたのちに亡くなりました。

またデクスターにはハリーの実の娘で義理の妹のデボラ・モーガンがおり、彼女は同じマイアミ警察の風紀課で父親と同じ刑事になることを目標とし働いていました。

デボラは義兄のデクスターを慕っており、2人は仲の良い兄妹でした。そんなデボラもやがて殺人課へ配属されるのです。

そんなある日、完全に血が抜き取られたバラバラ死体が発見され、その遺体を見たデクスターはその殺害方法に感動さえ覚え「こんなやり方があったのか」とその殺人犯を心の中で賞賛しました。

やがてマイアミ警察ではその血を抜き取られたバラバラ死体は冷凍してバラバラにされていることに気付き、そのシリアルキラーを冷凍車キラーと呼ぶようになりました。

主人公や家族、恋人等の周辺人物

デクスター・モーガン/マイケル・C・ホール

この物語の主人公でマイアミメトロ警察で血痕専門鑑識官をしています。血痕の分析能力や観察眼など鑑識の能力は非常に高くそのことは周囲からも認められています。

4歳で孤児となった際に、警察官のハリー・モーガンに引き取られて養子となり、デボラと兄妹として育てられました。

ある時義父のハリーにデクスターが抱えていた殺人衝動を気付かれ、少年時代まではその衝動を狩りをしたり、その獲物を解体することで発散させていましたが、それだけでは満足できないようになってきます。

そのことでハリーから、その殺害衝動を法では裁くことができない凶悪犯だけに向けるように教え込まれ、ハリーの掟と呼ばれる彼独自の法を作り出し、決して捕まらないための証拠を消す技術も叩き込まれます。

また他の人たちとは違い、恋愛や友情など人間に対する感情もほとんど持ち合わせないため、ハリーから他人と自然に交流する方法も教わります。

それらが功を奏し普段は温厚で人当たりのいい性格を完璧に演じることができるようになりました。

さらに普通の成人男性らしく見せるために、リタ・ベネットという彼女もいて、性的な交わりに興味がないデクスターと、そういった行為を嫌悪するリタとで仲は上手くいっています。

デボラ・モーガン/ジェニファー・カーペンター

ハリー・モーガンの実の娘で、デクスターの義理の妹です。マイアミメトロ警察の警官で、登場時は風紀課の制服警官でしたが、やがてデクスターの協力もあり、手柄を認められ念願の殺人課へと昇進します。

デクスターの裏の顔を知らないため、かつて父親のハリーがデクスターの衝動を抑えるために、デクスターとばかり行動することにヤキモチを焼いたことや、デクスターが優秀であることなどからコンプレックスを抱くこともありましたが、一方で全幅の信頼を置いており、慕っています。

また亡くなった父親のハリーを立派な警察官だとして尊敬しており、ファザコン気質があります。

ハリー・モーガン/ジェームズ・レマー

幼くして孤児となったデクスターを引き取った養父で、当時は優秀な刑事でした。

誰も気づいていなかったデクスターのサイコパスを見抜き、それでも普通の人間として生きていけるように、欲求のコントロールや隠し方、普通の人間としての行動の仕方を教えたほか、法で裁くことができない凶悪犯のみを殺害するという掟も与えました。

既に故人となっていますので、デクスターに掟などを教え込む回想シーンで登場します。

リタ・ベネット/ジュリー・ベンツ

デボラの紹介により、デクスターの恋人となった女性で、アスターとコーディという一男一女をもつシングルマザーです。

薬物中毒で売人だったポールという服役中の夫がおり、ポールの逮捕前は度重なる家庭内暴力を受けていました。

ポールの暴力がトラウマとなっており、肉体関係を避けるようになっており、同様に肉体関係に興味がないデクスターにとっては都合の良い相手でした。

アスター・ベネット/クリスティーナ・ロビンソン

リタとポールの娘でコーディの姉となります。ポールが母親リタに暴力をふるっていた時に彼女が通報し、父親のポールは逮捕・収監されることになりました。

ポールが出所してからはポールを父親として認め慕うようになりました。

コーディ・ベネット/ダニエル・ゴールドマン

リタとポールの息子で、父親のポールのことは最初から純粋に父親として慕っており、母親リタの恋人デクスターにも懐いています。

ポール・ベネット/マーク・ペルグリノ

リタの夫で、妻のリタに暴力をふるっていた時に娘のアスターに通報され刑務所に服役していました。模範囚として予定より早く出所し、更生したようにふるまいます。その際にリタとは正式に離婚しました。

娘と息子のことは純粋に愛しており、2人に会うためリタの家へ頻繁に顔を出すようになります。

マイアミメトロ警察関係者

エンジェル・バティスタ/デイヴィッド・ザヤス

マイアミメトロ警察殺人課の刑事で、デクスターとは同僚です。温厚で優しい性格の持ち主で、上司のラゲルタをたしなめたり、デボラの手柄に協力したりするような良い人柄であり、刑事としての優秀さも持ち合わせています。

マリア・ラゲルタ/ローレン・ベレス

マイアミメトロ警察の警部補で早くに出世することができたやり手の女性刑事です。部下のドークスとは元相棒で古い友人でもあります。

その地位から、キューバ系市民の英雄的な存在で、さらに上を目指す上昇志向や出世欲も強く、周りからもそのような目でみられていますが、警官としても職務に忠実です。

登場時デクスターに好意を示すものの、妹のデボラに対しては能力を認めようとしておらず、デボラの意見を無視することもありました。

ジェームズ・ドークス/エリック・キング

マイアミメトロ警察の殺人課巡査部長で、警部補のマリアとは元相棒で友人です。元アメリカ軍特殊部隊の隊員で、唯一マイアミ警察の中でデクスターに疑念と嫌悪感を持っている人物です。

正義感は非常に強いものの、そのことにより暴走してしまうことがあります。

ヴィンス・マスオカ/C・S・リー

マイアミメトロ警察の鑑識官でデクスターの同僚です。お調子者で空回りも多く、女好きで下ネタも多いため、周囲の顰蹙を買うことも多くなりがちです。

トム・マシューズ/ジェフ・ピアソン

マイアミメトロ警察の警部でラゲルタらのボスです。警察官よりも政治家的な立ち回りをし、警察のイメージを大切にします。かつてハリーの友人だったため、モーガン兄弟には比較的に優しく接します。

カミラ/マーゴ・マーティンデイル

マイアミメトロ警察の資料課職員で、ハリーが亡くなるまでは彼の友人でした。現在はデクスターと親しく、デクスターに密かに事件資料を渡したりします。

ハリーがデクスターを養子にした時の経緯を知っている人物です。

その他の人物

トニー・トゥッチ/ブラッド・ウィリアム・ヘンケ

アイスホッケー競技場の夜間警備員で、行方不明となっていたことや遺体をリンクに置いていたビデオがあったことにより指名手配されます。

後に冷凍車キラーに脅されていたことがわかり、片腕と片足を切断されて発見されます。

ルディ・クーパー/クリスチャン・カマルゴ

発見されたトゥイッチの義手と義足を誂えた義肢装具士です。やがてデボラと仲が深まっていきます。

この作品の主人公デクスターは、捜査機関側とは言え、シリアルキラーということで、中々理解するのが難しいのではないかと思われがちですが、あくまでデクスターが手掛けるのは、法の抜け穴などにより法で裁くことができずに、のうのうと暮らしている人物たちです。

普通の刑事ドラマであれば、なんとか悪事の証拠を見つけ法の裁きを下すのですが、彼らは証拠を残さなかったり、残された証拠が裁判で認められなかったりで有罪判決を受けなかっただけの悪党ですから、その裁きをデクスターが下すというのは、どこかヒーロードラマに通ずるところがあるのではないでしょうか。

もちろんデクスターが悪人を始末するだけの物語だとしたら、ここまで人気を得られなかったでしょう。

シリアルキラーという面以外にも、デクスターの心の葛藤や、他人に興味がなかったデクスターの心の移り変わりなどもしっかりと描かれており、その世界観も非常に興味深く描かれています。

更に、デクスターによるそれぞれの悪党殺害の他に、シーズン通しての大きなストーリーとして、デクスターと、謎のシリアルキラー冷凍車キラーとの関わり合いが描かれています。

この2人のシリアルキラーのやり取りが非常に興味深く、ついつい最終話まで一気に見てしまいました。また、最終話で一旦しっかりと終わり、ほとんどクリフハンガーを残さずスッキリとシーズンを見終えることができるのも良い点です。

それでいて、次シーズンも見たくなるという、かなり上手く作られた作品だと感心させられました。

このシーズン1は、冒頭は説明的なシーンもあり、間延びしたような感じも受けますが、シーズン後半に進むに連れ、スピード感が出てきて、どんどん盛り上がってきます。

まだ見ていない方は、1度見てみることをお勧めします。

2019年10月1日現在、デクスターはFODで配信されています。

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