『ブラック・ミラー』シーズン1、世にも奇妙な面白いドラマ

元々イギリスで放送されたドラマですが、Netflixが番組を買い取り、現在はNetflixのオリジナルドラマとして製作されている、1話ごとに登場人物やストーリーが違うオムニバス形式の作品です。

いずれの作品も近未来が舞台となったSF・ミステリー・サスペンスドラマで、日本での「世にも奇妙な物語」的な部分も持ち合わせているほか、色々と考えさせられる内容となっております。


引用:Netflix

1、「ブラック・ミラー」とは

2011年からイギリスのチャンネル4でシーズン1~2とスペシャルドラマの「ホワイト・クリスマス」まで放送され、その後Netflixが番組を購入し、現在はシーズン5まで配信されています。

物語は近未来の世界でテクノロジーが急速に進化した故のの歪みと、テクノロジーに振り回される人間の業の絡み合いが繰りなす不思議で奇妙な世界をオムニバス形式で描いた作品です。

今回紹介するシーズン1では「国家」「1,500万メリット」 「人生の軌跡のすべて」の3作品が製作され、いずれも非常にクオリティの高い作品です。

1-1、スタッフ

監   督:「国家」オットー・バサースト、「1,500万メリット」ユーロス・リンン、「人生の軌跡のすべて」バライアン・ウェルシュ

企   画:チャーリー・ブルッカー

製作総指揮:チャーリー・ブルッカー、アナベル・ジョーンズ

脚   本:「国家」チャーリー・ブルッカー、「1,500万メリット」カナク・ハク、「人生の軌跡のすべて」ジェシー・アームストロング

2、「ブラック・ミラー」シーズン1 1話「国家」


引用:https://www.netflix.com/title/70264888

2-1、「国家」あらすじ

近未来のイギリス・ロンドンで、イギリス首相のマイケルは深夜に1本の電話で目を覚まし、呼び出しを受けたたのです。

首相官邸でマイケルは、国民からの絶大なる人気を誇るスザンナ妃が誘拐されたということを知り、そして犯人からのスザンナ妃解放の条件をスザンナ妃本人が読み上げている動画を見せられたのです。

その犯人からの要求というのは「午後4時に、国営放送並びに衛星放送で、マイケル首相が豚と性行為をする模様を生中継しろ。」という内容で、それに従わなければスザンナ妃を殺害するというものだったのです。

動画を見たマイケルはすぐにスザンナの居場所を特定することと、動画が他の人の目に触れないように指示するのですが、既にこの動画はYoutubeにアップされSNSで次々と拡散されているほか、事件を知ったCNNやFOX、アルジャジーラやNHKなどの他国のマスコミが次々に報道していったのです。

マスコミの報道やSNSでの拡散により、この事件は世界中の人々が知ることとなり、マイケルの元には女王陛下直々にスザンナ妃を助けるようにとの嘆願の電話まで入ったのです。

政府閣僚らのマイケルが知らないところでの忖度や、世論の動向などにより、徐々に首相のマイケルは追い詰められていくのでした。

2-2、「国家」見どころ

絶大なる人気を誇るスザンナ妃の命を救うためには、首相のマイケルが豚と性交渉をしなければならないなんて、ある意味究極の選択を迫られているような感じですが、事件を知ったときにはまだ時間的余裕があったので、スザンナ妃の居所を見つけ、犯人を捕まえるという選択肢もありましたが、徐々に残り時間が少なくなっていく中、どうなっていくのか非常にハラハラさせられました。

時間までに犯人が見つかり、スザンナ妃を救い出せればいいんでしょうが、もし見つけ出せなければスザンナ妃が殺され、マイケルの政治家としての生命は終わることになるでしょう。

一方、スザンナ妃を救うために豚と性交渉をするということになれば、首相としてではなくマイケルの人間としての尊厳がズタズタになってしまうことでしょう。

この2つの葛藤が首相のマイケルだけではなく、マイケルの妻やマイケル政権の閣僚や官僚をも巻き込んで物語が進行していく様が非常に見ごたえがありました。

また他社より少しでも良い情報を得ようとするマスコミの姿や、首相の動向を見守る国民の心理も同時に描かれ非常に楽しめます。

さらにこの「国家」では随所でSNSやネット社会に触れていて、秘匿しておこうとしていたスザンナ妃の誘拐は既にYoutubeで拡散していたり、国民の世論がすぐにネット上で分かるため、首相の行動自体がネットの世論に左右されてしまいます。

この物語の結末は、おそらくネット社会じゃなければ起こらなかっただろうと感じさせられました。

2-3、「国家」まとめ

この「国家」はブラック・ミラーの第1話にふさわしい内容でした。

マイケルやマイケルの周囲の人間の考えや行動と犯人がとった驚くべき行動、そしてマスコミやネット社会が持つ利便性と危険性など、多くのことを考えさせられました。

この「国家」は気楽にも見れますし、小難しく見ることもできる、見る価値のある作品だと自信を持って言えます。

3、「ブラック・ミラー」シーズン1 2話「1,500万メリット」


引用:https://www.netflix.com/title/70264888

3-1、「1,500万メリット」あらすじ

完全に管理された社会でこの物語の主人公ビングは一面が液晶で囲まれた部屋で日々を過ごし、なにをするにもメリットという電子通貨が必要で、そのメリットは自転車を漕ぐことによる発電で得ることができるのです。

そんな極度の管理社会から抜け出す手段はオーディション番組に出演し、そこで審査員に認められ番組を持つスターになることです。

そんな中ビングはアビという歌の上手い一人の女性に出会うのです。アビはその歌声を武器に、オーディション番組に出演することになるのですが、そのステージでは…

3-2、「1,500万メリット」見どころ

この物語に出てくる世界は、完全な管理社会で住民に当たえられている部屋は全面ディスプレイとなっており、番組を見たりゲームをしたりできるのですが、途中にCMが入ります。

面白いのはそのCMを飛ばすのにもメリットを払わなければいけないという内容になっていて、ある意味現代の資本主義社会にも通じています。

そして住民が暮す世界は管理側によってつくられた世界で、身の回りの物に本物はありません。

そんな中でビングはアビの歌だけが本物と感じ、彼女に全てを託すことにしますが、そこからの展開もまたブラック・ミラーらしいストーリとなっています。

また、その後ビングがとった行動は視聴者に期待を持たせるものとなっていましたが、ラストもまた良い意味でブラック・ミラーらしい終わり方を迎えます。

3-3、「1,500万メリット」まとめ

この作品の部隊はデジタル文明が発展した未来となっていますが、自分より下の階級を作ってあることで、管理しやすくしてあることや、周りに本物が存在しないこと、そして娯楽なども管理者によって与えられたものしかなく、なにをするにしてもメリットを消費しないと生きて行けないというあたりは、どこか現代に通じるところがあります。

また、ビングにとっては本物であったハズの思いが、いかにして偽物になっていくかがとても上手く描かれていました。

そんな風に、この作品も多くのことを色々と考えさせられました。

4、「ブラック・ミラー」シーズン1 3話「人生の軌跡のすべて」


引用:https://www.netflix.com/title/70264888

4-1、「人生の軌跡のすべて」あらすじ

人々はチップを頭に埋め込むことで、過去の記憶を全てデータとして記録しておくことが可能となった近未来の世界が舞台で、弁護士のリアムは面接を終え、知人のホームパーティーに参加するため飛行場へ向かいました。

この時代では、飛行機に乗る時にもチップから24時間、7週間と記憶を遡り、あやしい記憶がないかを空港職員にチェックされるのです。

パーティーに先に到着していた彼の妻のフィオンは、リアムに、今しがたまで一緒に話していたジョナスという男を紹介するのです。

リアムはそのパーティーの席で、妻のフィオンがジョナスのつまらないジョークに大笑いする姿に違和感を感じていたのです。

家に帰ったリアムは、妻のフィオンにパーティーの時の自分の記憶をテレビに映して見せ、ジョナスについてあれこれと詮索を始めるのでした。

4-2、「人生の軌跡のすべて」見どころ

この世界では、自分が視た記憶の全てを記録しておくことができるため、違和感を感じたささいなことでも、繰り返し見ることができるし、また視界に入った一部も拡大してみることができるため、詳細に過去を分析することができます。

また、酔っぱらって覚えていないことでも、データとして記録されているため、その間の出来事も知ることができるため、ある意味とても厄介です。

この設定こそ、この作品の面白さの全てと言っても過言ではないでしょう。

そんな世界で、リアムが妻のフィオンとジョナスの関係を疑ったため、記憶の断片を掘り起こし、どんどん事実が明るみになっていく様が上手く描かれていました。

4-3、「人生の軌跡のすべて」まとめ

実際にこんな技術があったら、このストーリーではなく、犯罪捜査なんかには便利そうな感じはしますね。

なにしろ犯罪を目撃した人のデータから犯人を割り出せるわけですから、記憶という曖昧なものよりよっぽど役に立ちそうです。

しかし実際、人間は色々なことを見逃したり、忘れたりするからこそ幸せだということは多々あります。

それなのにデータとしてすべて残るのですから、自分とって思い出したくない過去をだれかが一生記録してあったり、また自分がなにをするにも意識していないといつ第三者に記憶を再生されるか分からないなんて、息が詰まりそうです。

そんな当たり前に起こりそうなことを無視してまで、新たなテクノロジーが便利だという理由だけで普及させる危険性も訴えているのかも知れません。

5、「ブラック・ミラー」配信先

2020年5月7日現在「ブラック・ミラー」はNetflixで配信されています。

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