病院へ駆けつけてきた隆一は、黒木に向かって「あんた言ったよな?「俺に任せろ」って言ったよな?できもしないことを偉そうに言うんじゃねえよっ!」と怒鳴る。
自暴自棄の黒木を救えるのは?
数日後、黒木は飲み屋で警察の悪口を言っていた客ともめて通報され、諸星が連れ出そうとした際に抵抗したことで、木村ともこが公務執行妨害で逮捕した。
そんな中、隆一が家で猫のハジメにご飯を食べさせていると、綾乃が訪ねてきて「ごめんなさい、私が余計なことしたから。」と謝る。
「もういいよ、どうせ、いつかは分かったことだし。」と話す隆一に、綾乃は「黒木さん、毎晩のように飲み歩いて、酔っ払いと喧嘩して自分を痛めつけてるみたいだって。」と伝える。
しかし隆一は「僕はもう関係ないから。兄弟でも、家族でもなかったんだ…。僕は犯罪者の、凶悪犯の息子だったんだ。人殺しの血が僕には流れてる。」とどこか捨て鉢になっていた。
「だから何?りゅうちゃんはりゅうちゃんでしょ?親が誰だったとしても、中身は1ミリも変わらないんだよ。」と彩乃。
彩乃は続けて隆一に訴える。
「あなたは、私が良く知ってる神崎隆一で、それはどんな過去があっても、変らないんだよ。」
「りゅうちゃん、前、私に言ってくれたよね。「守りたい人がいるのは、幸せなことだ」って。今、りゅうちゃんが守るべきなのは、黒木さんなんじゃないの?」
彩乃がそう訴えると、隆一は「どうして僕が…」と尋ねる。
「家族だからだよ!血のつながりなんかなくたって、一緒に生活して、ご飯食べて、たまにケンカもするけど、ちゃんと仲直りして、お互いを思いやっていて、そういうのが家族って言うんだよ…。 助けてあげてよ弟なら。お兄ちゃんのこと助けてあげてよ。」と彩乃は泣きながら隆一に訴え、家を出て行くのだった。
彩乃の言葉に心を動かされた隆一は、留置されている黒木の元へ行き「この忙しい時に、みんなの仕事増やしてどうするんですか?」と口にする。
そして「どうして、僕の兄だと名乗り出たんです?」と尋ねると、黒木は「俺と母さんを捨てた親父が、お前を、犯罪者の息子をどう言う風に育てたか知りたかったんだよ。」と口にする。
「それで…、分かりましたか?」と尋ねる隆一に、黒木は「よーくわかったよ。俺が長い間、間違えてったってことも。犯罪者の息子だろうが、警察官の息子だろうが、関係ない。要はてめえの生き方次第だって、お前のそばにいてよーく分かったよ。」と伝える。
隆一は「僕は今まで、自分が神崎隆一だって、当たり前のように思ってたけど…、僕が僕でいられるのは、奇跡なんだなあって。お父さんや黒木さん、周りのみんなに支えられて、僕は、ようやく僕でいられる。そのことに、ようやく気付きました。」と話す。
「だから僕も、黒木さんを支えたい。あなたが一人で立てない時は、僕が手を貸します。僕は、あなたの弟だから…。早く捜査に戻りましょう。」と隆一。
そこに末長が泣きながらみんなを引き連れやってきて、黒木を牢屋から出し、再び黒木と隆一は捜査に当たることになった。
井原達也の正体に近付く
隆一は、賢造は犯人が誰か知っていて、その男をかばっていたんじゃないか?第3の犯行を止めようとしていたんじゃないかと考えた。
捜査を進めていくと、かつて組にいて事情を知っている、村田雄二という男を洗い出し、黒木と神崎の2人は村田に事情を聞きに行く。
村田は「井原が…、事務所に乗り込んできて…。世間では、トチ狂った井原が、一方的に拳銃をぶちかましたって話になってるけど、違うんだよ。先に発砲したのは、組の連中なんだ。」と話し始める。
そして「あいつはただのヤクザもんじゃない!あの銃裁きは、訓練を受けないとできねえよ!」と伝えたのだ。
署に戻り2人が報告すると、末長は「どういうことだ?」と不思議捜な顔をする。
黒木は「神崎、お前に親父の伝言、言ってなかったよな。」と言い「お前の、父親は…、警察官だ。」と言い残していたことを伝える。
そして「井原達也は、仁瑞会の構成員ではなく、警察官だった。」と自分の考えを話すと、末長が「潜入捜査官か!」と口にするのだ。
「どういうことですか?」と諸星が尋ねると、末長は「当時、人瑞会と癒着していた悪徳警官がいると聞いたことがある。井原は、それをあぶりだすために送り込まれた潜入捜査官だった。」と口にする。
「しかし、それがバレた制裁に、松原ひかりが犠牲になった。」と末長が話すと、黒木は「そう考えると全ての辻褄が合います。」と納得する。
井原の死を警察自身が握りつぶした!
しかし、潜入捜査が違法であるが故、「警察は違法な捜査を隠蔽するために、井原の死を利用した。暴力団の構成員として処理したんだ。」と黒木。
その後黒木は秘密裏に澤登にそのことを告げると、澤登は「井原が潜入捜査官??ここから先は慎重に事を進めるべきだ。誰が味方か分からない。少なくとも、本庁の連中は信用しない方がいい。」と告げるのだった。
松原ひかりが真犯人…
その後家へ戻った隆一は、ついに自分の本当の父親が井原であることを思い出した。
そんな隆一に黒木は、松原ひかりが勤めていたという、スナックのママが持っていた両親の写真を見せた。
写真を見た隆一は「黒木さん、この人は、松原ひかりは生きてます。こないだ、井原達也のお墓で会いました。」と伝える。
黒木と隆一は、この警察官連続殺人事件は、警察に憎しみを持つ松原ひかりがやったのかも知れないと思うのだ。
生き抜いた賢造と、真犯人の手掛かり
その時黒木のスマホに病院から連絡が入り、2人が病院へ駆けつけると、幸いなことに賢造は一命を取り留め目を覚ましたのだった。
賢造は隆一に、かつて潜入警察官だった井原から隆一とひかりのことを頼まれ、できれば隆一の父親代わりになって欲しいと託されていたことを話す。
その頃黒木は、看護師から荷物の確認を頼まれ、賢造の持ち物の中から一枚の写真を見つけた。
そして、賢造の持ち物から出てきた隆一にその写真を見せ「俺たちは、とんでもない間違いをするとこだった。」と話すと、隆一は「許せない」と怒りを滲ませるのだった。
澤登の命が狙われる
そんな中、「松原ひかりから直接会って話をしたいと電話があり、日曜日のセレモニーに来ると言っていた」と澤登。
そこで、その日に松原ひかりが凶器の拳銃を持っていたら、その場で逮捕できることから、隆一と黒木が副所長の警護をし、他の刑事たちは松原ひかりの動向を見張ることになった。
イベントが始まり黒木たちが見張っている中、松原ひかりらしき一人のあやしい女性が会場に現れ、受付を通りロッカーを開ける。
黒木の指示で諸星が職質をかけると、その女性は拳銃を手に威嚇し、澤登副所長を目がけ真っ直ぐ歩いて行く。
黒木と隆一は女性に拳銃を向け「動くなよ、動いたら撃つ。」「松原ひかりさんですね。」と告げる。
女性が止まったため「3つ数えたら、ゆっくり手を上げろ」と言って黒木が数を数えだすと、突然澤登が「伏せろ」と言い、拳銃を抜き発砲しようとする。
見事に騙された澤登
澤登が発砲する瞬間、隆一が澤登を押し倒したため、銃弾は天井目掛けて飛んで行った。
「なんで発砲するんだ。」と怒鳴る隆一に、澤登は「なんでって、動いたじゃないか。」と言い、「賢司君なにやってんだ、あいつを捕まえろ。凶器の拳銃を持ってただろう。」と命令する。
黒木は「どうして凶器の拳銃だと分かるんですか?」と言い、女性に手に持っている拳銃で撃てと命じる。
女性は澤登に近付き引き金を引くと、その拳銃からは水が出てきて澤登は濡れただけだった。
女性が持っていた拳銃は水鉄砲で、変装を解くとその女性は彩乃だった。
真犯人の動機と証拠
驚く澤登に、黒木と隆一は朝から澤登の行動を見ていたと言い、早朝澤登は、ロッカーに凶器の拳銃を隠し、案内所に「私を訪ねてくる人がいたら、この鍵を渡してくれ。」とロッカーの鍵を渡し受付に依頼していたと言う。
澤登は鍵を受付に預けた後、松原ひかりに電話し、案内所でロッカーの鍵を受け取ってくださいと話していたと言う。
隆一は「澤登副所長、この事件は、全部、あなたがやったことですね。」と伝える。
そして黒木は「植田さんから、松原ひかりが生きていたことを知らされたあんたは、22年前の事実が明るみになることを恐れて、この事件を企てた。」と告げる。
続けて隆一が「あなたは、植田さんと安藤さんを殺害して、その罪を父になすりつけようとしたんだ。」と言い「父はあなたの思惑通り、松原ひかりがやったものだと思い込み、自分に容疑がかかっても沈黙した。」と追及する。
さらに黒木は「いずれ神崎賢造は自分の元へ来る。そう踏んだあんたは、その場で親父を射殺し、全てを闇に葬ろうとした。」と澤登を責める。
2人の話を聞いていた澤登は「どうして私が、植田さんや安藤さんを殺さなきゃならないんだ?」と尋ねると、2人は「口封じのだめだろう、仁瑞会と癒着していた悪徳警官はあなただった。」と口にする。
当時の澤登は、捜査情報を流す代わりに、仁瑞会から金を受け取っていて、井原はそれを暴こうとしていたため、井原を消そうと考えたという。
澤登は「いい加減にしろ!証拠でもあんのかっ!」と2人に怒鳴りつけると、黒田と隆一の2人は賢造と井原が仲良く写っている写真を取り出した。
黒木は「あんたは、知らないハズがないんだよ。井原が潜入捜査官だってことを。」と告げ、2つに折られてあった写真を開くと、そこには賢造と井原だけではなく、他にも警官たちが3人が仲良く休日を過ごしている様子が映し出されており、写真の一番端には澤登の姿があったのだ。
澤登は開き直り「ハハハハ…、ハッハッハッ ハハハハ」と笑い出し、隆一が手錠をかける。
松原ひかりの復讐
その後諸星にロッカーにある凶器を確保させようとすると、拳銃がなくなっており、松原ひかりが澤登に銃口を向け「動かないで、その男は渡さない。私が殺します。」と口にする。
「隆一、そこをどきなさい。」と凄むひかりに、隆一は「どきません、僕は警察官です。犯罪を止めるのが警察の役目です。」と訴える。
ひかりは「どうして警察官になんかなったのよ。達也さんを裏切って、死んでからも侮辱し続けた警察が許せないのよ。」と怒りを露にする。
隆一の説得
隆一は「僕の父も兄も警察官だった。僕の本当の父は最後まで警察官だった。二人の父が僕を警察官にしてくれたんだ。僕は、そのことを誇りに思ってる。」と訴える。
続けて「井原さんは、お父さんはこんなこと望んでない。どんなにつらいことがあっても、負けないで生きていけって、タンポポみたいに笑って生きていけって、お父さんは教えてくれた。お父さんは、僕たちの幸せを願っていた。だから僕たちを、神崎賢造に託したんだ。」ど諭す。
「僕達はまだやり直すことができる、家族として。おかあさん、それは、あなたが、生きていてくれたからだよ。生きててくれてありがとう。」
事件後の2人
事件解決後、体調も回復した賢造は蕎麦屋を再開し、お客さんに美味しいお蕎麦を提供し、2人にも蕎麦を送っていた。
そして神崎と黒木は、犯人の張り込みをしながらも、相変わらず彩乃も巻き込んでの兄弟げんかを始めるのだった。
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