色々不便になった第4機捜・MIU404
そんな伊吹を無視した志摩は、自分たちがメロンパン号でパトロールしていることに不満を持っているため、隊長の桔梗ゆづるに空いてる他チームの車を貸して欲しいと願い出る。
桔梗は「志摩、他のチームが車貸してくれると思う?」と、尋ねると、志摩は「…絶対に貸さない。」と桔梗の言葉に納得し「文句はありません。」と答える。
更に、第4機捜は本部で窓からうどんの湯切りをしたことにより追い出され、芝浦署のすぐ裏の分駐所に移動させられたのだ。
隣に怪しい車が
そんな中、伊吹と志摩がパトロールをしていると、伊吹が「隣のおばちゃんとめっちゃ目が合うんだって。」と志摩に告げる。
伊吹が信号待ちで隣の車を見ていると、そのおばちゃんはなにか目で伊吹に訴え、走り出す瞬間、黄緑色のジャンパーを着た何者かが後ろからおばちゃんのフードを掴む手が見えた。
そんな中伊吹と志摩たちに「品川区西森で発生した殺人事件の容疑者が現場から逃走。」という無線が飛び込んで来たのだ。
続いて「容疑者は28歳男性、黄緑のジャンパーにジーパン、やせ型。凶器を所持してる模様。」という情報が伝えられた。
その無線を聞いた伊吹は、おばちゃんが乗っていた車に異常を感じ、追っかけようとするが信号が赤だったため、志摩はサイドブレーキを引き車を停止させた。
伊吹が「逃げられちゃうだろ」と話すと志摩は「あの車がどうした?」と尋ねて来たため、伊吹は「容疑者が乗ってる。さっき一瞬おばちゃんのフードつかんだ腕が見えた。袖の色は黄緑。逃げ出してる容疑者と着衣が一緒。」と告げる。
伊吹の必死の訴えにより、志摩は隊長の桔梗に、殺人容疑者が乗り込んでると思われる車の追尾許可をもらい、追跡を始めたのだ。
犯人の痕跡
現場では初動捜査に当たった陣馬耕平と九重世人が聞き込みを行い、桔梗に「被害者は専務で、第一発見者によると、逃走したのは8年前に入社した加々見崇。遅刻や欠勤もない真面目な社員だそうです」と告げるのだ。
桔梗は九重に「伊吹たちの追ってる車の持ち主が分かった。近くだから行って来て。」と告げる。
その時ドアノブが気になった陣馬は九重に「血がついてねーなと思ってさ。」と言い「遺体の周り、掌紋がベッタベタついてる、見たところ両手ともある。」と告げる。
すると九重が、ドアノブがキレイなのを見て「加々見の手は、ドアを開ける時、汚れてなかった。」と言い「加々見が犯人じゃない可能性があるんじゃないんですか?」と伝える。
陣馬は「血の掌紋が誰のものかだな?鑑識にまかしとけ。」と告げ、現場を後にするのでだった。
追尾中に検問が
その頃追尾を続けていた伊吹が「ねえやっぱり乗ってるよ、3人目。前出て止める?」と話すと志摩が「どうやって?」と尋ねたため伊吹は「ぶつければ止まる。」と答えたため、志摩は「次はないって言われただろう。」と話す。
そして「仮に犯人だとしても、人一人殺してるんだ。刺激しない方がいい。車から降りるまで待つ。」と告げるのだ。
伊吹が「超、消極的解決。」と話すと、志摩は「安全な解決。」と告げるも、道の先で検問を行っているのを見て、伊吹は「安全って言えなくなってきたな。」と話すのだ。
検問を切り抜ける不審車両
一方検問で止められた田辺夫妻の車に乗る犯人は、ジャンパーを脱ぎ、後部座席で早苗の横に座り「おかしなことをしないでください。」と念を押す。
検問を終えた警察官は伊吹たちの所にやってきて「特におかしなところはありませんでした。話も具体的でしたし」と答え、「後ろに座っている人物は夫妻の息子の「田辺秀則」で、具合が悪く病院へ行く途中だと話していた。生年月日も教えてくれ中学の時の写真も見せてくれた」と志摩たちに伝え、後続の車両への検問へと移っていったのだ。
「いや、俺はそれでも犯人だと思う」と話す伊吹に、志摩は「だから行くぞ、早く出せ。見失う。」と告げるのだった。
志摩の過去
一方田辺家の近所で聞き込みをしている陣馬に、九重は「志摩さんがどうして伊吹さんの暴走に付き合うのか理解できません。優秀だったって話ですけど。」と告げる。
「優秀だった。」と話す陣馬に九重は「失敗したんですよね。捜査一課で。それで飛ばされた。」と告げると陣馬が「失敗の内容は?聞いたのか?」と尋ねたため九重は「志摩は相棒を殺した。」と話すのだ。
その頃、田辺の車を追尾している伊吹が「俺のこと信じてくれるワケ?」と尋ねると、志摩は「信じてない。」と告げる。
田辺夫妻の息子ではなかった
伊吹は「あ~、他人も自分も信じないだっけ? 俺さー、昔からメッチャ職務質問されるんだよね。学生の時も学校で備品がなくなったって言えば、教師が伊吹じゃないか?っていっつも俺が疑われてさ。もう言い訳すんのも嫌んなって、信じてくれなくていいや、だったら俺も誰も信じない。」と話し始める。
そして「でもさー、いたんだ。たった一人だけ信じてくれた人がさ。志摩ちゃんも、俺のこと信じてくれていいんだぜ。」と告げるが、志摩は「結構です。」と答える。
その時志摩に陣馬から電話が入り「田辺夫妻には、確かに息子がいた。名前は田辺秀則。だけどもう死んでる。中3の時に自殺してた。13年前の今日だ。」と聞かされたのだ。
田辺夫妻の車に盗聴器を設置
その時田辺夫妻は車の中で、加々見に「本当に人を殺したの?」と尋ねていた。
加々見は首を横に振り「僕はただ、毎日普通に働いて、今日だって、ただ会社へ行って、専務と話しをして…。」と言うと、田辺将司は「信じる。私は君を信じる。」と告げる。
そんな中、信号で停車した際、志摩は車を降りて前の田辺夫妻の車へ行き、後ろからなにかベロ~ンと出てると言い、バックドアを開けさせ、旗を取ったと言って自分の車に戻って行った。
戻った志摩は、「乗ってるのはおそらく加々見だ」と伊吹に告げ、さらに田辺夫妻の車に盗聴できるボイスレコーダーを置いてきたと伝える。
やがてボイスレコーダーから加々見の声が聞こえて来た。
加々見は「親父は僕がなにをしても気に入らないんです。親父の言う通りにしないと認めてもらえなかった…。自分が全て正しくて…。そういう人です。だから、高校を卒業して東京に出たんですけど、あてもないからしばらくは日雇いで、ネットカフェに寝泊まりして。半年ぐらいたったころ、岸に会ったんです。」と話し始める。
そして「岸は僕の中学の同級生で、事情を話したら、じゃあウチの会社来いよって紹介してくれたんです。それでようやく月給もらえて、アパートにも住めて、有休までもらえるようになって、人間らしい暮らしができるようになりました。岸は僕の恩人です。」と伝えるのだ。
犯人は岸か?
その頃4機捜の分駐所では岸を調べていて、彼は社員として会社にいたが、殺された専務により先週クビになったということが分かった。
その時、スパイダー班の糸巻がキシという人物の「ウチクリンの松村幸弘はパワハラ野郎で天誅上等」という書き込みを見つけたとやって来た。
桔梗が「岸はどこにいるの?」と尋ねると実家の山梨に帰ると言っていたと言い、伊吹と志摩が追尾している車も山梨に向かっていた。
その頃、盗聴内容を聞いていた志摩は「この夫婦、本当に人質か?凶器で脅されているように聞こえない。」と話す。
田辺夫妻は加々見に「岸君はそれで、専務さんを?」と尋ねると、加々見は「天誅だって、あいつは殺されても仕方のない人間だって。」と話すのだった。
それを聞いていた伊吹は「いまの聞いたよな、加々見は犯人じゃない。」と言うと、志摩は「だったら、どうして逃げてるんだ?」と尋ねたため、伊吹は「自分の無実を証明するために決まってんだろ。」と答え、追跡を続けるのだ。
田辺夫妻が加々見を信じる理由
その時4機捜分駐所から志摩と伊吹に無線連絡が入り「フラワーショップの防犯カメラに拉致監禁の一部始終が写ってた。マル被が凶器を用いてマルタイの車両に無理やり押し入るのが確認できた。山梨県警の応援を要請。機捜132も向かってる。合流してマル被を確保してください。」と伝えられた。
その後、富士山田の道の駅に入った田辺夫妻の車から、加々見は凶器を手に田辺夫妻と一緒に車を降りた。
伊吹は4機捜の分駐所に確保の許可を求め、志摩に「万が一だよ、変なことを起こす前に。」と伝える。
道の駅で田辺夫妻は加々見に「心配するな、君に最後まで付き合うよ。その君の行こうとしている場所に。」と告げる。
トイレで加々見は田辺に「僕はあなたたちの息子じゃないですよ。」と告げると田辺は「うん」とうなずき「俺たちはあの子を信じてやれなかった。」と話し始める。
続けて「学校で、クラスの子の財布からお金が盗まれた。ウチの秀則が犯人だって疑われて、秀則はその頃反抗期だったから、なんてバカなことしたんだって、俺は話も聞かず怒鳴りつけて頭を下げさせた。」と告げる。
そして「でも本当にあの子はやってなかった。無実だった。死んでから分かった。犯人は別の子だった。だからって、なんで死んでしまったのか?疑われたことに耐えられなかったのか?俺への当てつけか?悔しかったのか?絶望したのか?あの子が何を思って死んだのかいまだにわからない。もしも戻って、あの時に戻れるなら、俺はお前を信じる。誰が何と言おうと信じる。あの子に言ってやりたかった。」と告げるのだった。
加々見を確保へ
田辺の肩に加々見が手を置こうとしたその時、伊吹が加々見に「はい、ストップ」と言い「ちゃんと話聞く、おとなしく出頭しろ」と告げるが、加々見が凶器を手に抵抗したため、伊吹は加々見を取り押さえる。
その時田辺が伊吹を抑え込み「逃げろ、無実を証明しろ、行け!」と逃がそうとしたため、伊吹は志摩に確保するよう「志摩!志摩!」と叫ぶが、今度は田辺の妻が志摩を抑え込んだため加々見は逃走してしまったのだ。
その後も田辺夫妻は加々見に脅されたわけではなく、合意の上だったと言い張る。
その時志摩の電話に九重から着信が入るのだ。
九重は「岸はまだ東京にいて女の家で寝ていた」と言い「岸は東京にいて事件を知らなかった」と告げるのだ。
殺害犯は加々見だった
伊吹は「ちょっと待てよ、他の犯人がいるかもしれないじゃん、第一発見者とか」と志摩に告げ、田辺夫妻はまだ加々見を信じている中「人は信じたいものを信じるんだよ。伊吹も田辺さんたちも、加々見がやっていないと信じたかった。」と志摩。
そして「俺はやってない。犯人がそう言う時、多くはごまかすために言う。だけどもう一つ…、犯人自身がやっていないと思いたい。自分のやってしまったことを認めたくないんです。」と話すのだ。
更に「加々見は自殺するかもしれません、どこ行ったんですか?」と田辺夫妻に尋ねる。
夫妻は「下富士町にラウンドホームって用品店があるって。その先は自分で歩くと言っていました。」と言い「最終的にどこへ行こうとしてたのかは分かりません。」と答える。
伊吹と志摩がラウンドホームへと向かったその頃、現場にあった血の掌紋が加々見の自宅で採取した掌紋と一致したのだ。
加々見が向かった場所と理由
その頃加々見は実家に来ていて…。
その時、岸から電話が入り「加々見何やってんだよ、逃げてないで自首しろって。」と話す岸に「あいつ殺して、俺も死ぬ。」と告げる。
そして岸に「なあ、覚えてる?二人でゲームしてたら親父にぶん殴られた。あいつ反省文書かせたんだ。ゲーム壊されて、マンガも捨てられた。パソコンぶん投げたのだって全部あいつなのに僕が反省文書かされるんだ。あいつは一度も…、一度だって謝らなかった。」と伝える。
更に「松村、そっくりだよな。岸をクビにしたあいつが悪いんじゃないか。あいつのせいだ。こうなったのは全部あいつの。それを教えるために来た。」と話し、自分の父親を捜す。
先回りしていた志摩と伊吹
しかし加々見の自宅には志摩と伊吹がいて「お父さん死んだんだって。2年前、交通事故だって。もうここには誰も住んでない。」と伝える。
加々見は泣きながら「始まりはこいつの…。それが事故で死んだ?自分の息子が人を殺したことも知らずに。なんの復習にもならないよ。まだ一度も謝ってもらってない。」と叫ぶ。
そんな加々見に志摩は「あなたは人を殺した。理由はどうあれ、命は取り返しがつかないんだよ。」と告げると、続けて伊吹が「お前バカだな。殺しちゃダメなんだよ。相手がどんなにクズでも、どんなにムカついても、殺した方が負けだ。無実でいて欲しかったな」と伝えるのだ。
事件解決後の志摩と伊吹
連行される加々見に田辺夫妻は「ごめんね。最後まで付き合うって約束したのに。ごめんね。いつかまた三人でドライブしよう。ごめんね。ごめんね。」と声を掛けると、加々見は涙を流しながら田辺夫妻に頭を下げるのでした。
その後山梨名物のほうとうを食べながら志摩は伊吹に「一つ言わせてもらう。殴って悪かった。ごめん。」と謝る。
すると伊吹が「志摩ちゃん?志摩ちゃん、よくできましたね~。」と茶化したため、志摩は「さっきの謝罪を撤回する。」と告げるが、伊吹は「ねえ、もう遅い遅い。時は戻らないよ。」と答える。
そんな伊吹に志摩は「そうだな。時は戻らない。人の命にはかえられない、どんなに願っても…。お前は長生きしろよ。」と伝えるのだった。
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