先日まで『妖怪シェアハウス』で主人公の目黒澪役を好演していた小芝風花さんが、TBS系列テレビドラマで初主演を果たした。
性別のために働きにくさを感じていた女性が、男性として働いていく決意をし、奮闘していく様子を描いた社会派のラブコメディ。
ここでは、『書類を男にしただけで』のあらすじ、ネタバレ・感想などを紹介していきます。
『書類を男にしただけで』登場人物・キャスト
箕輪祐希 / 小芝風花
広告代理店インサイトエージェンシーの社員。前職でセクハラを受け抗議するも、軽くあしらわれ更にセクハラを受けたため、上司を背負い投げし解雇される。転職活動で苦労をするものの、大手広告代理店インサイトエージェンシーの中途採用を受けるとき、誤って性別欄の男性にチェックしたことから採用された。
杉田哲也 / 竜星涼
インサイトエージェンシー第七制作部の社員。イケメンだが中身は中学生男子並みのコピーライター。前職を解雇され泣いていた祐希を慰めていたが、そのことはよく覚えていない。
須藤あやか / 水沢エレナ
インサイトエージェンシー第七制作部の社員。職場の華として扱われているが、女性ということで仕事で自己主張をすることができずにいる自分の生き方に不安を感じている。
鈴井翔平 / 奥野壮
インサイトエージェンシー第七制作部の社員。祐希の後輩で今どきな若手社員。
古橋敏之 / デビット伊東
インサイトエージェンシー第七制作部の部長。祐希に興味を持ち、第七制作部に引き抜く。仕事は男性社員メインで、あやかのような若い女性はクライアントを和ませる役割と考えている。
柏木未来 / 高橋メアリージュン
インサイトエージェンシーの産業医。祐希が性別を間違えてインサイトエージェンシーに応募してきたことを指摘し、男性として働く道を諭し後押ししてくれた。
渡辺リカ / 友近
IT企業「深弦堂」の女性社長。インサイトエージェンシーの重要なクライアントで、10億円の製作費で夢のある広告プランを第七制作部に依頼する。
加藤秀人 / 袴田吉彦
祐希の前職「ムササビ広告社」の上司。祐希にセクハラし、接待の席で祐希を「社長の愛人」と虚偽を言いふらされたことに耐えかねた祐希がやめて欲しいと頼んだところ、相手にしないばかりか更にセクハラを働いたため祐希に背負い投げで投げ飛ばされる。それにより、祐希にクビを言い渡す。
『書類を男にしただけで』あらすじ
主人公の箕輪祐希(小芝風花)はセクハラ上司を背負い投げしたことが原因で前職をクビに…。転職活動も不採用の嵐。そんな中、最終選考まで通過した一社…それはずっとあこがれていた広告業界最大手の一つ「インサイトエージェンシー」だった。祐希は気を引き締めて「インサイトエージェンシー」の最終選考でもある健康診断に行くのだが、そこで自分の性別が男として登録されていることが発覚。健康診断を担当する医師・柏木未来(高橋メアリージュン)に「ここで女だって言ったら落とされるよ」と追い詰められ、祐希の頭の中には“女として失敗し続けた過去”が走馬灯のように駆け巡り…。祐希は「男で天下取ってやる!」と、性別を偽りそのまま男として入社することを決意。女性であることがバレないように奮闘しつつ仕事を頑張る。しかし、かつて心ときめいた男性、杉田哲也(竜星涼)に再会し…!?
引用:https://www.tbs.co.jp/program/shorui_otoko_20201011/
『書類を男にしただけで』スタッフ
脚 本:飯野陽子
プロデュース :中西真央、韓哲
演 出:石井康晴
主 題 歌:ジェニーハイ「片目で異常に恋してる」(ワーナーミュージック・ジャパン)
主演・プロデューサー コメント
<主演・小芝風花コメント>
今回のお話をいただいた時に、男性として会社で働くという役柄を聞いて驚きと不安があったのですが、台本がすごく面白くて、女性だったら共感してくださる方も多いのではないかなと思いました。
ちゃんと男性に見えるようにメイクさんや衣装さんはじめたくさんの方のお力を借りて、肩パットを入れてみたり、インヒールを入れたり工夫してみたので、男性に見えていたらうれしいです(笑)。
私が演じる祐希は、もともと芯が強いので、女性として生きているときも男性の時もその部分は変わらないと思うので、そこはしっかり意識していきたいです。
女性には共感していただける部分が多くあると思いますし、男性も見ていただくと「あ、女性ってこんなところを気にしてるんだ」など発見がある作品になっていると思います。男女問わず、それぞれの悩みやお互いうらやましいところがあると思いますし、みんながそれぞれの個性や好きなことを受け入れ合っていけますようにという思いが詰まった作品なので、男女関係なく楽しんで見ていただけたらと思います!引用:https://www.tbs.co.jp/program/shorui_otoko_20201011/
<プロデューサー・中西真央>
「エントリーシートを男で出していたら私の人生もちょっと違ったかな」
一昨年明らかになった医学部入試での女子や浪人生に対する不正な減点のニュースを見ていて、私自身がふとそんなことを考えたのがこの企画のきっかけでした。
私は幼いころから女性の友人と同じくらい男性の友人も多く、一緒にバカみたいな話をするのが好きなタイプでした。でも、どうにもならない違いがあるのは事実で、たとえふざけて男扱いされようとも、女の私が男のようには生きられない。そのことを実感してきました。また、男子と女子では「モテ」の構造も違うと思っていて、男子は面白さやスター性でモテる人も多いですが、女子はそうとは限らない。こうした日常の中にある些細な違いから許しがたい理不尽な違いまでを、誰かを傷つけたりすることなく、コメディーの力を借りて描けたらと思って生まれたのが今回の企画です。
主演の小芝風花さんは、かわいらしさはもちろん、お芝居からあふれる芯の強さが魅力だと感じており、今回、「男性であろうと女性であろうと、私の仕事の仕方は何ひとつ変わりません!」と言い切れる強い女性(男性?)にぴったりだと感じてオファーさせていただきました。常に明るく元気で、スタッフみんなを笑顔にさせてしまう素敵な存在です。イケメンすぎる男装姿には皆様もきっとキュンとしてしまうと思いますのでご期待ください!
今回は、初のプロデュースとなる私を含め、若いスタッフが非常に多く集まってくださいました。斬新なアイデアやフレッシュな感覚を殺さず積極的に取り入れていくことで、いつもとは何か違うと感じてもらえる作品になればいいなと思っています。『書類を男にしただけで』、どうぞよろしくお願いいたします。
『書類を男にしただけで』ネタバレ
ネタバレ・序章
広告代理店で働く箕輪祐希は、ある日屋外でイベントの準備を進めている時、上司の加藤秀人に「私を社長の愛人だと言うのはやめてください。」と訴える。
しかし加藤は「あの時、「あはは、辞めてくださいよ~」ってそんな感じだったじゃない。嫌なら嫌ってあの時言ってよ。」と言うばかりか、祐希の肩を気安く抱き「よ・ろ・し・く・ね。」とポンポンと撫でながら叩くというセクハラをして行った。
怒った祐希は「加藤~!」と叫びながら近づいて行き、加藤の襟首をつかむと、背負い投げで投げ飛ばしてしまった。
投げ飛ばされた加藤は「暴力は絶対許さんぞ~!お前なんかクビだ~!」と祐希にクビを言い渡した。
会社をクビになった祐希が、道をフラフラと歩いていると男性にぶつかりそうになったため、避けた際に倒れ込んでしまう。
倒れた際に足首を痛めた祐希が道端に座り込んでいると、加藤を背負い投げしていた様子を見ていた若い男が、祐希にハンカチを差し出し「今日の痛みは一瞬、守ったプライドは永遠」と告げる。
祐希は優しくされたことに涙を流し、渡されたハンカチで涙をぬぐって顔を上げると既にその男性の姿はなかった。
書類を男にしただけで、大手広告代理店の憧れの部署へ!
それから1年後箕輪祐希は、広告代理店最大手のインサイトエージェンシーで若干26歳にして、社長賞を受賞したのだ。それも男性として…
祐希は26歳にして社長書を受賞したことで、第七が本気になったら取れない賞はないとまでいわれる憧れの第七制作部に引き抜かれた。
古橋部長が「ようこそ地獄の第七へ。」と挨拶すると、女性社員の須藤あやかも自己紹介し「なにか困ったことがあればいつでも。」と祐希に告げる。
続けて古橋部長は「ここは見ての通り強者揃いだ。ま、中には変人もいるけどな。」と話すと、杉田哲也が漫画雑誌の背表紙をドライヤーで熱していた。
なんとその杉田は、前職をクビになり、泣いていた祐希を慰めてくれた男性だった。
『書類を男にしただけで』感想
一番最初に、連ドラでなかったことに驚き、たった1時間枠でちゃんと表現できるのか心配でしたが、思った以上にしっかりした内容と終わり方で、純粋に楽しめました。
物語の設定としては、女性が男性として生きるという物語なので、ありがちと言えばそうなんですが、やむを得ず男として生きて行ったと言うより、女性としての生きづらさを感じた主人公が、本当に自分がやりたい仕事を得るために、男性を選んだという、珍しいストーリーです。
実際女性と男性では、それぞれの感じ方が違いなどで、それぞれの生きづらさはあるかと思います。
現実問題、この国では長い間(女性天皇の最後は1770年。それも男系であり、特殊な理由により継承したもので、少なくともそれ以降の天皇は男性のみ。)男性中心の社会が続いてきて、女性が国政参加を認められたのも戦後だったため、未だに男女が同権だと言えない状況が特に企業内で見えにくい形で続いています。
そんな世の中なので、仕事においてはまだまだ男性優位で世の中が回っているところが多く、この物語のように我慢を強いられている女性が多いことは容易に想像できることでしょう。
またその逆に、古くは女性の世界と言われていた専業主婦などの世界では、主夫は認められにくく、ヒモのように見られることがあるのではないでしょうか?
このドラマで、男女のそういった問題を考える良い機会にもなりましたし、出来る限りフラットな目で世の中を見て行きたいと感じさせるような作りにもなっていました。
しかし、それらの男性・女性問題を抜きにして、このドラマを単なるエンターテイメントとして見ても、テーマや脚本、演出や登場人物のキャラクター・俳優陣の演技力どれを取ってもクオリティが高く、大変楽しめる作品でした。
特に主演の小芝風花さんは、あんな華奢な体型で袴田さんを背負い投げしたり、女性が男装したのとはまた違った男性っぽさを表現してあり、演技力が高いのは知っていても、それ以上に非常に素晴らしい表現力だと感心させられました。
更に、竜星涼さんも2枚目と3枚目の中間と言う難しい演技を3枚目になり過ぎないように監督に引き戻されながらも、非常にクオリティの高い演技を見せてくれました。
最後に、この作品がこの1話で終わりと言うのは非常に残念なので、出来ればこのメンバーで、この設定で連ドラを見てみたいですね。
『書類を男にしただけで』見逃し動画配信サービス
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配信内容、話数などの詳細はサイトにてご確認ください。
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