画像引用:大豆田とわ子と三人の元夫|関西テレビ放送 カンテレ
基本情報
カンテレ制作でフジテレビ系の「火曜21時枠」で放送されている4月期ドラマ。松たか子さんが主演で、3回結婚し3回離婚しているバツ3の女性・大豆田とわ子を演じる。
そんなとわ子と、松田龍平さん演じる田中八作、角田晃広(東京03)さん演じる佐藤鹿太郎、岡田将生さん演じる中村慎森の三人の元夫たちとの関係を描いていく。
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『大豆田とわ子と三人の元夫』10話・最終回 感想
最後まで本当に面白かった『大豆田とわ子と三人の元夫』もついに最終回を迎えてしまい、激しいロスに襲われています。
さて最終回だけど、まずは1話の船長さんが逮捕されたというニュースから始まるというところがいかにも「大豆田とわ子と三人の元夫」って感じがしてスゴくいいですね。
その時の被害者としてとわ子が写っていた写真と会社へ着て来た洋服が被っていたのも笑ったけど、二度見して気付いてしまった六坊さんが、みんなを注意して気をそらしてくれたのは笑ったヾ(≧▽≦*)o 自分も見てたくせに
そこからとわ子の初恋の人が登場したり、母の恋人が登場したりするけど、その間に描かれていた唄の物語も深みがあった。
唄の人生観について
唄は将来の生き方として、西園寺君に乗っかり、彼の舵取りをしながら生きて行くことが、生きやすいと考えているため、今の理不尽には目をつぶっているけど、現状これだけ西園寺君に振り回されて、この先主導権を取っていくことができるのかどうかは疑問が残りますね。
ただ、唄のここからのやり取りについては別の見方もできます。
唄のセリフで「西園寺君の方が、医大に入りやすいでしょ?」とあるけど、これでさりげなく(分かりやすく?)医大入試の性差別問題に言及し、女性は入試で弾かれる可能性があるから「それが私たちの現実じゃん。」と続けてるのかもしれませんね。
さらに「内藤先生は病院の中でいじめられて辞めちゃった」と、大人のいじめ問題にも言及し、そういう時代を作って来た大人たちを暗に批判し「こっちはそういう現実をこれから生きる訳だからさ。」と言わざるを得ない世の中を嘆いての表現なのかも。
西園寺君と國村真
一方、西園寺君に関しては、多くの視聴者もとわ子と同様に「大学、全部落ちてしまえ。」と思ったことでしょう。
西園寺君も、おそらく何らかの意味を持つ登場人物なんだろうけど、やっぱ感想としては「落ちてしまえ」なんだよね(✪ ω ✪;)
***
続いて登場したのが、とわ子の亡き母・つき子の恋人。多くの視聴者の予想を超えて来たと思われるけど、現れたマー(國村真)って人は女性。さりげなくLGBT問題にも踏み込んできました。
ただ、せっかくLGBTに触れるのであれば、もっと踏み込めばいいのにとも思うけど、そうなると1話で片付けられなくなっちゃうからしょうがないか。マーは重要な登場人物だしね。
とわ子の母・つき子と真
話を戻すと、國村真によると、当時は今以上に性に対しての偏見が大きかったから、とわ子の母は真を選べなかったけど、だからといって渋々旺介と結婚したというワケでもなく、旺介やとわ子に対する愛情も本物だと告げています。
結果としてとわ子の母が幸せだったか不幸だったかは誰にも決めることはできず、とわ子の母にしても、その時その時に与えられた選択肢の中から自分で道を決め、一生懸命に生きてきただけということでしょう。
奇しくも、このことは小鳥遊大史がとわ子とかごめについて語った時の内容とリンクしますね。
小鳥遊の「人生って、幸せな結末も悲しい結末もやり残したこともない。亡くなった人を不幸だと思ってはならない。」という台詞がここでよみがえってきました。
唄が医大受験を決めたこと。
さて、ここまでのところでもう一つ気になるのが、唄が口にした「おばあちゃんが生きた人生は、私の未来かもしれないんだよ。」というセリフ。
このセリフに対しても様々な考え方はあるだろうけど、 唄は、おばあちゃんは当時ほかに愛する人がいたけど、旺介と離婚せずとわ子を一緒に育てる人生を選んだが、結果シングルマザーとしてとわ子を育てることになって、かわいそうだと思ったんだろう。(かわいそうなおばあちゃんと言っていたし。)
唄は、そんなおばあちゃんの生き方が不幸なのかどうかを真から真実を聞くことで、自分の生き方の参考にしたいと考えたのではないか。
実際のところ、唄は自分で医者になりたかったけど、今は西園寺君の人生に乗っかって医師の妻になることで自分の夢を叶えようとしている。
でもその先には西園寺君の人生から降ろされる可能性もあるかも知れない。降ろされて不幸になるのだったら、自分の人生設計を今の内に立て直しておく必要にかられたのだろう。
ところが、実際に会ってみると真は女性だった。当時唄のおばあちゃんが真を選ぶというのは、今 唄が自分で医師になることを目指すより厳しい道だっただろうと唄は感じたことだろう。
その時とわ子は、愛する人よりも自分を育てることを選んだ母は、不幸せだったんじゃないかと不安だったけど、真はどの道を選ぶのも、とわ子の母の本当の姿で、嘘じゃなかったと話す。
そんな一人で強く生きて来たおばあちゃんの話を聞いているうち、どの道も嘘じゃないんだったら、自分自身で医者になるという、厳しいだろうけど人に乗っからずに生きて行くという道を選んだ方が、未来の自分の満足度は高いと唄は思ったんじゃないかな。
その一方、とわ子の母にとって、真は愛する女性だったワケだけど、同様にとわ子にとってはかごめが、恋愛感情は伴わなくとも愛する女性だったワケで。
ここでとわ子とかごめの物語と、母・つき子と真の物語とを親子2代に渡って交差させて描いているところが心に響きました。
そして、ここまで能天気だと思っていた旺介は、ちゃんととわ子やとわ子の母に悪いことしたと思っていたことや、おそらく母・つき子の気持ちに気付いてもいただろうけど、全部自分が悪いと思っていたというのも意外でした。
今回、このとわ子と旺介のやり取りがスゴくいい味を出していて、見ごたえがありました。
甘勝登場とラストの元夫たち
ここで物語はとわ子と初恋の人とのデートの話になるけど、初恋の人・甘勝は10人いたら、9人はとわ子のことを好きになるだろうけど、自分だけはとわ子を好きにならないと言いきってました(笑)
とわ子には申し訳ないけど最終回だけの登場にしては本当にいい味を出してました。完膚なきまでにとわ子を叩き落すこの対応は最高でした。
ここから、ラストの元夫たちとの物語へと進んで行き、今現在、3人とも未だとわ子のことが好きで、ずっと後をおっかけていましたが、少なくとも慎森はかなりの成長を見せ、なんと「雑談って必要ですか?」とは言わず、第三者と雑談ができるようになっていました。
しかし、鹿太郎はあいかわらず鹿太郎のまま、何も成長を見せないまま終わったけど、ある意味最初から最後までブレなかったのは鹿太郎だけかも知れませんね。
一方、八作はあいかわらず黙っているだけで、女性が寄ってきていましたが、これまでは他の元夫2人に付き合う感じでとわ子のことを追いかけていましたが、今回は自分から進んでとわ子に好きだと言っていました。なにか心の整理がついて、ようやく素直にとわ子が好きだと言えるようになったんでしょうね。
物語は、ここで終わりを迎えたけど、なんとなくこの三人の元夫たちは、これからもとわ子を追いかけ続けそうな気がします。
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