待ちに待った『逃げるは恥だが役に立つ』ガンバレ人類!新春スペシャルが2021年1月2日に放送されました。
時間はなんと約2時間半と、人間の集中力の限界と言われる120分を超えるという長丁場でしたが、それでも途中で全く飽きを感じさせない、内容がギッシリと詰まった作品となっていました。
それでは『逃げるは恥だが役に立つ』ガンバレ人類!新春スペシャルのネタバレ、あらすじ感想などを紹介していきます。
『逃げるは恥だが役に立つガンバレ人類!』新春SPあらすじ
家庭という仕事場の「共同経営者」である森山みくり(新垣結衣)と津崎平匡(星野 源)。
共働きとなり、2人に最適な家事の分担も出来て、平和で幸せな日々を過ごしていた。
女子社員の「出産の順番待ち」、みくりの会社ではそんな話題も出ていた。
そんな中、みくりの妊娠が発覚。2人はついに正式に結婚をすることになるが、入籍をめぐってひと悶着が。
さらに、つわりで苦しむみくりを前に混乱する平匡は、「泣きたいのはこっち」と弱音を吐く始末。
大切なプロジェクトを前に育休を取ることを決める平匡だったが、そんな窮地を支えてくれたのは昔の同僚である沼田(古田新太)たちだった??。
家事の役割分担など暮らしの再構築を目指すが、出産、育児と慣れない出来事の連続に翻弄されていくみくりと平匡。一方、百合ちゃん(石田 ゆり子)も人生の大きな転機を迎えていた・・・。
そして、“ある出来事”がみくりと平匡の間を引き裂き、離ればなれの日々を過ごすことに・・・。
2人は再び“ハグの日”を取り戻すことは出来るのか??。
引用:https://www.tbs.co.jp/NIGEHAJI_tbs/story/index2.html
『逃げ恥新春スペシャル』登場人物・キャスト
津崎(森山)みくり … 新垣結衣
津崎平匡 … 星野源
土屋百合 … 石田ゆりこ
風見亮太 … 大谷亮平
田中安恵 … 真野恵里菜
沼田頼綱 … 古田新太
日野秀司 … 藤井隆
梅原ナツキ … 成田凌
森山栃男 … 宇梶剛士
森山桜 … 富田靖子
森山ちがや … 細田善彦
津崎宗八 … モロ師岡
津崎知佳 … 高橋ひとみ
山さん … 古舘寛治
花村伊吹 … 西田尚美
灰原慎之介 … 青木崇高
千川 … 滝沢カレン
矢口 … 伊藤修子
田中 … 冨手麻妙
笠井 … ナオト・インティライミ
坂田 … 池谷のぶえ
相場 … Kaito
深澤 … 浅川梨奈
市役所職員 … 前野朋哉
谷部長 … 金子昇
登場人物の詳細についてはこちら

『逃げ恥新春スペシャル』ネタバレ
みくり・平匡たちのその後
あれから数年後、みくりはホームセンターのサービス統括課で働く毎日を過ごしていた。
平匡とは、家事はお互いに得意なことを分担し、苦手なところは半分ずつに分担し、自分がやったところは報告しアピールすることで、互いの生活を上手く回していた。
平匡は、前の会社スリーアイシステムソリューションと取引のある会社で、システムアーキテクトとして働いていて、まだスリーアイで働いている風見との案件で同じプロジェクトに関わることになった。
ゆりちゃんは、風見とは1年半前に別れていたが、あいかわらずバリバリと働いているばかりか、がっちりマンデーにまで出演していた。
みくりの妊娠発覚
しかし最近のみくりは、毎日のぼんやりが続き、あげくの果てには眠気まで襲ってくるようになったため、他課の女性からは妊娠を心配される。
その日、検査薬を購入して帰ったみくりは早速検査をし、平匡に意気揚々と「陽性です。妊娠検査薬で陽性反応が出ました。妊娠したんです。」と告げる。
しかし平匡は「でも、まだ分からないんですよね?産婦人科で検査しないと、確実なことは言えないのでは?確定したら、また話しましょう。」と席を立って寝室へ行ってしまった。
そんな塩反応を見せる平匡に、みくりは一抹の不安を覚え、八百安のやっさんを訪ね、相談するのだった。
その日帰ったみくりに、平匡は入籍問題を議題として提起し、妊娠により選択的夫婦別姓を待つ猶予がない状況となったため、未入籍という訳にはいかないと訴える。
そんな平匡にみくりは、互いの状況を考えた結果、自分が森山の姓を捨て津崎姓となることを提案し、名義変更などは手分けしてやることを決めた。
その後、産婦人科へ行った2人に、医師はみくりの妊娠を告げる。2人は令和元年6月22日に役所へ婚姻届けを提出し入籍したのだ。
入籍を済ませ、令和2年2月には父親になることを強く実感した平匡は、自分がしっかりしてみくりを支えていくことを心に誓う。
みくりのサポートを決意する平匡
みくりに「子供が生まれるにあたって、僕は全力でみくりさんをサポートします。なんでも、遠慮なく言ってください。」と申し出る平匡。
するとみくりは「ちがーう!」と平匡を否定し、みくりのお手伝いをするつもりだった平匡に「手伝いなの?一緒に親になるんじゃなくて?」と疑念をぶつける。
「私だって、子供産むの初めてで、どうなるか分かんなくて不安なんです。それなのに、私一人が勉強して、平匡さんに指図しないといけないの? 一緒に勉強して、一緒に親になって。夫婦ってそういうことじゃないんですか?」
その時みくりは言い過ぎたことを、平匡は言わせてしまったことを反省し、2人は自分たちが夫婦や家族になるための道のりは、地球と月ほどに遠いと実感するのであった。
百合が風見と別れた理由
その頃百合は、高校時代の友人・花村伊吹と食事をしながら、風見と別れた理由を話していた。
百合は、風見が将来の仕事のことを考えている時に自分はリタイア後のことを考え、旅行の時も風見があちこち行きたいと言っていた時に、既に家に帰ることを考えていたといい、百合は自分が思うより怠け者で頑張れなかったことで、1年半でギブアップしたと話す。
その時看護師長でもある伊吹に自分の下血についての相談をすると、すぐに産婦人科へ行って検査するように勧められる。
帰り際伊吹は「私、高校の頃、土屋のこと好きだったんだよねぇ。」と当時の思いを伝え帰って行ったのだ。
その日、平匡が帰ってくると、みくりはソファーで寝ていた。みくりがいつも寝ているため、平匡の家事の負担が一気に増えていたが《体の中で、ものすごい勢いで、細胞分裂が起こっている。眠くもなるよなぁ。》と思う平匡だった。
百合の病気発覚
そんな中、病院で診察を受けた百合に子宮体がんが見つかり、詳しい検査結果を聞くために家族の付き添いが必要となったが、妹の桜はぎっくり腰で動けず、みくりはつわりで吐き気と戦い続けているため付き添いできない。
残すところはみくりの兄・ちがやと、父・栃男、そして平匡だが、簡単に毒を吐くちがやは、百合を簡単に傷つける言葉を吐きそうだし、他の2人とは会話にならない。
そこで百合は、友人の伊吹に付き添いを頼み、病院で一緒に話を聞いてもらうことにした。
そんな中、相変わらずつわりで食事ができないみくりに、やっさんは八百安特製のグレープフルーツゼリーや買物と、ファストフード店のポテトを手土産に遊びに来た。
一方、友人の伊吹と共に病院で話を聞いた百合に、伊吹はステージ2なら手術で治せると告げる。
百合は傷が小っちゃくて回復が早い腹腔鏡手術を受けることを決めた。
そんな百合に伊吹は「この前言ったことどう思ったかなあって、ずっと不安だった。」と告げる。
ゆりは「愛情か、友情か、どっちかなって思ったけど、どっちの意味でも嬉しいなあって思ったよ。一人で参ってる時、一筋の光みたいだった。「好き」って言ってくれてありがとう。」と答えるのだった。
男性の育休問題と、男としての在り方!
ようやくみくりのつわりが収まり、それぞれ会社で育休の取得について申請し、平匡はプロジェクトリーダーの課長・灰原に話すが、灰原は1ヶ月の育休を認めてくれない。
みくりは「さも当然」という顔をして、貫き通すようにとアドバイスする。
そんな中、平匡の父母が上京してきて4人で安産祈願の戌の日参りに神社へと出かける。
父の宗八は平匡に「今まで以上に責任を持たなくては。大黒柱として」と伝える。
平匡は「ウチは夫婦二人でやっていこうとしてる。二人の責任で。」と告げるが、宗八は「その前に、家長としての責任がある、男としてしっかりしろということだ。」と伝えるが平匡はなにか納得がいかない。
その後家で瓦そばを食べる。母親の知佳は味噌汁を飲んで「これおいしい!」とみくりを褒めるが、「それ、作ったの平匡さんです。」とみくり。
調理家電を使えば、材料と水と味噌を入れて、スイッチを入れるだけで簡単だ、父さんでもできると話す平匡だった。意外にも家電好きの父に、母は買ってみようと話すのだ。
その後みくりと2人っきりになった時に平匡は、「父親を、亭主関白を顔に書いたような人だったから、昔から少し緊張してしまう」と口にし、話を続ける。
「僕は、あんな風にできないから、家庭は持てないって、ずっと思ってました。」
「だけど、みくりさんと出会って、そうする必要はないって気付けたんです。」
「僕は、父を尊敬していますが、僕は、僕の思う理想の父親になればいい…。そうですよね?」
思わず「はい」と返事をしてしまったみくりだったが《理想の父親…、とは何だろう?心なしか…、平匡さんを遠くに感じる。私が妊娠でナーバスになってる?》と思うみくりだった。
平匡の育休問題に沼田が加勢
そんな中、平匡のプロジェクトチームでは、遅れた工程を取り戻すべく、スリーアイの事情をよく知っている沼田頼綱の会社ヨリッツが応援に呼ばれた。
沼田は、平匡が育休を取ることに腹を立てている灰原に言葉をぶつける。
「それさ、育休だから嫌なの?例えば突然の事故や家族の病気介護だったら?」
「いつ、誰が長い休みをとるかなんてわからない。」
「その時何が大事か、誰が休んでも仕事は回って帰ってこれる環境をつくること。」
「それが職場におけるリスク管理。」
「そして灰原さんは、それが出来ると見込まれてるからプロジェクトリーダーなのだよ。」
沼田の加勢もあり、灰原はもうこの話題に関して突っ込めなくなり、プロジェクトを進めていくのだった。
その頃、お腹の子供は平匡が触っても動いてくれないため、平匡はお腹の子供を「おなかちゃん」と呼び、自分を覚えてもらいために、触ったり話しかけたり、あげくの果てには、みくりが熟睡しているときにまでこっそりと話しかけていたところ、ようやく子供に認識してもらえるようになり平匡が触った時も動いてくれた。
みくりの「つわり」再び
2019年12月24日、34週を迎えた頃、みくりは再びの強烈な吐き気、胸やけ、頻尿、尿漏れ、足のつりに苦しんでいて、宅配便が来ても取りに出るのも間に合わないくらいだった。
一方の平匡は、仕事納めの日だというのに、仕事が全く納まらず、このままだと育休も危うくなるため、「大みそかまで出勤してカバーするしかないか」と考えるのだが、頭の中に乱れて荒れまくった部屋の様子が浮かぶ。
結局残業して遅れを取り戻すべく奮闘している平匡のスマホに、みくりから宅配のトイレットペーパーを受け取れなかったから、買ってきてほしいとメッセージが入る。
沼田の呪い?
その頃、沼田は日野と一緒に、みんなを沼田会の忘年会に誘うが、誰も来なかった。そんなみんなを沼田は呪う。
「知ってるかい?中国でね、謎のウイルスの発生が確認されたっていう噂だ。」
「地球上には謎のウイルスなどがあって、世界中でアウトブレイクが起こり、人類が死に絶えることもあるかもしれない。」
「そうなって初めて、人類はこの沼田会の尊さと楽しさに気づき、後悔しながら滅んでいくんだ。」
いっぱいいぱいの平匡
平匡は仕事を終えた帰り道、みくりに頼まれたトイレットペーパーを、コンビニにあるもので間に合わすか、遠くの店まで行って、いつも使っているものを買って帰るかを悩むが、結局遠回りし、いつものトイレットペーパーを買って帰る。
平匡が家に帰り着くと、なぜかいつものトイレットペーパーが家にある。聞くと宅配の人がもう一度来てくれたとみくり。
だったらメールくれればという平匡に、みくりはメールを送ったという。
みくりは平匡に精一杯明るくふるまうが、平匡はみくりが食べかけたカップ麺を目にし、明日で今年が終わるっていうのに、カップ麺食べる元気があるのなら、少しくらい部屋を片付けてくれてもいいのにと、みくりに文句を言う。
するとみくりは泣き出し、「ずっと体調が悪かったけど、できることしようと可愛い内祝いを調べてたらちょっと元気が出たので、食べたくないけど頑張って食べようとカップラーメンを用意し、少しでも笑顔で平匡さんを迎えようと思ったけど、なんでそんな嫌味いわれなきゃなんないの」と反論する。
「そんな泣かなくても」と言う平匡に、みくりは「泣きたくて泣いてるんじゃないんです。ホルモンバランスが崩れて…、ううー、もうやだ、つらい。」と泣き続けるみくりに「泣きたいのはこっちですよ。」と言い崩れ落ちる平匡。
結局なにも解決も決着もせずに、荒れ果てた部屋の中で2人は大みそかと正月を迎えたのだった。
平匡のつらさと、みくりが出した答え
2020年1月4日、だいぶつわりが楽になったみくりを百合が訪ねてきて、差し入れのチョコレートケーキを切って出す。
手術を終えてからの百合はすっかり元気を取り戻し、お酒もジャンジャン飲めているという。
「平匡さん もう仕事なんて大変ね」とゆりが言うと、みくりは「今頑張らないと、育休とれないって言ってたけど、うちにいたくないのかも。」と話す。
「平匡さん、愚痴は言わないんだけど、その分イライラがたまって、私も私で、感情的になっちゃって、ケンカみたいになって。最後はお互いごめんねって謝って終わりはしたんだけど、なんか一番言いたいことは言えてない気がする。」
「うーん、わかんないけど、一緒にいるのに、孤独っていうか…。」
百合は誰かに聞いて共感してもらえるだけでずいぶん楽になる、女同士ってわりとすぐ愚痴ったりするが、男は一人でため込んでパンクする人も多いという。
「“男らしくあらねば!”それもまた呪いかもね」と百合。
みくりは、自分はやっさんや百合ちゃんなどいろんなところで話を聞いてもらい、不安を共有し理解してもらい、安心を得ていたが、平匡にそういう機会はあったのだろうかと思う。
以前、平匡がみくりのお腹に手を触れても子供が動いてくれなかったとき、「あなただけじゃない」って平匡が言われて、すごくホッとしているように見えた時のことを思い出す。
《母親になる私の不安と、父親になる平匡さんの不安。不安の共有と理解。安心。》
そう考えたみくりは、早速行動を起こすのだった。
その頃平匡は、時計を見て《帰らなければ。帰って、年末年始で出せなかったゴミを出して…、ゴミを出して…、ゴミを、ゴミを…。》と思いつめたように心でつぶやき帰路につく。
平匡が家のドアを開けると、「お帰りなさーい」と見知らぬ女性が家を出ていく。
みくりは平匡に、ようやくつわりが収まってきたため、家政婦さんにお願いして、一緒に掃除をしたことを話し、「産んでからもまた、どうしようもないことがあると思うんです。そういうときは周りの手も借りてやっていきませんか?」と話す。
すると後ろを向き平匡は涙を流す。そんな平匡をみくりは抱きしめ「つらかったですね。」と話すと、「つらかったのかな」とつぶやく平匡。
「つらいに決まってますよ。家事を一人で引き受けて、仕事にも追われて。」
「だけど、女性の方が、みくりさんの方が、つらいんだし。」
「私はつらいって、たくさん言ってます。平匡さんも、つらい時はつらいって言ってください。」
「男だって、女だって、つらい時はつらいですよね。」
「つらい…、つらかった。」
出産と子育て。しかし…
2020年2月3日、出産を翌日に控えた2人が名前について考えていると、突然みくりが破水してしまった。
慌てて陣痛タクシーを呼びクリニックに到着した2人。陣痛の痛みに堪え切れなくなったみくりは麻酔を入れてもらうことに。
クリニックに到着してからおおよそ2時間後、みくりは無事に女児を出産し、名前は「亜江(あこう)」に決定した。
亜江を家に連れ帰り、2人で育児に奮闘していると、育休中の平匡に灰原から電話がかかってきた。
平匡がやむを得ずに電話に出ると、灰原は「社長が自宅待機になって、田中と大塚も熱出して休みで、もう津崎さん来てくんないとどうにもならないんだよ。」と訴える。
平匡が「皆さん、風邪ですか?」と尋ねると、「えっ、もしかして津崎さん、テレビもネットも見てない?」と灰原。
新型コロナウイルス発生
平匡がテレビを点けると「新型コロナウイルス」についてのテレビニュースが流れていて、2人は初めて死の可能性もある新しい病気、新型コロナウイルスのことを知ったのだ。
みくりは新型コロナにおける、乳幼児の影響について調べるが、未知のウイルスのため、情報が錯そうしており、なにが本当なのかもわからない。
一方の平匡も、乳児用のガーゼマスクやアルコール消毒用品も何一つ入手できなかった。
平匡の会社では、社長が反対している中、灰原が社長を説き伏せるということで、リモートワークに切り替えるべく、平匡も協力することになった。
しかし、先の見えないこの新型コロナウイルス禍で育休もなくなり、感染者が爆発的に増え続けている中、平匡は毎日会社へ通勤しているため、どこで自分がウイルスをもらってくるかわからないことを危惧し、みくりと亜江を館山の実家へ疎開させることを提案する平匡。
千葉の館山に疎開するみくり
そのことを心の中で考えていたみくりもその案を受け入れ、みくりは濃厚接触を避けるため、平匡とのエアーハグを済ませ、父・栃男の車で千葉県の館山へ向かったのだ。
2020年4月6日、その日政府は、東京や千葉を含む7つの都府県に、緊急事態宣言を出すことを表明し、翌日より1か月の目安で外出や移動の自粛が法律に基づき要請されることになった。
その頃みくりは、平匡の感染を心配し、平匡は自分の感染を心配し、このまま会えなかったらとそれぞれ不安に思っていた。
平匡は、あのとき亜江の顔をよく見ておけばと後悔し、同じくみくりもあの時平匡をハグしておけばよかったと後悔するのだった。
みくりは亜江の写真を平正に送りたかったが、スマホのカメラが壊れ、送れないでいた…
新型コロナは沼田のせい?
その頃、行きつけのバー「山」を訪れ、「山」の経営のことを心配している百合をよそに、沼田は「俺のせいだ。みんなが沼田会来てくれないからって、「ウイルスで滅んでしまえ」って、つい口にしてしまった。俺の言霊のせいだ。」と凹んでいた。
「バッカじゃないの!沼ちゃん一人が呪ったせいで、世界が終わってたまるか!」と百合は怒鳴り、マスターと百合、沼田の3人で神に祈りを捧げるのだった。
コロナ禍の中で見出す希望
そんな中、平匡に亜江の姿をどうしても届けたいみくりは、亜江の姿をデジカメで撮影したSDカードを手に出かけて行った。
一方、平匡はSNS上にはびこるデマや争い、無益なたたき合いや密告・嫌がらせ、排除・差別を目の当たりにし、人の愚かさを嘆いていた。
このまま経済状態が悪くなっていけば、戦争を始める国が出てきてもおかしくないと思いを巡らせる平匡。
その時、平匡のスマホにみくりからのメッセージが届き、開いてみるとそのリンク先のクラウドにはたくさんの亜江の写真がアップされてあった。
平匡は楽しそうな亜江の写真に目をやり、泣きながら《大丈夫だ、まだ。世界はこんなにも美しい。》と思うのだった。
写真はみくりが、SDカードの写真をコンビニでプリントし、そのプリントした写真をスキャンしてデータ化し、クラウドにアップしたものだった。
平匡に対する疑念
しかし、みくりに平匡から届いたメッセージは《ありがとう、写真はもう送らなくていいです。》というものだった。
そのメッセージを見たみくりは、それ以来ずっと頭の中を《もういい》が繰り返し再生され、《もういい》がゲシュタルト崩壊を起こしてしまっていた。
みくりは赤ちゃんが出来た時の平匡の塩反応や、生まれた時の生物だと話していた言葉を思い出し、平匡がなにを考えてるのかわからなくなり、母・桜に相談する。
桜は自分の経験談から、栃男は嬉しさ半分、怖さ半分だったんじゃないかな?と言い、急に父親にはなれないとみくりに伝える。
みくりが「平匡さんね、理想の父親になるって言ってた。」と話すと、桜は「理想を持つのはいいけど、疲れちゃうわよ。子育てってゴールが見えないんだから。ゴールを見るより、過程を楽しんだらどうかな?」とアドバイスするのだった。
平匡の真の想い
そんな中、平匡はネットで予約したノートパソコンとモバイルルーターを受け取り、風見の運転で千葉の館山を目指す。
途中の公園で、みくりと亜江を見かけた平匡は、風見に停まってもらって、物陰からみくりと亜江の様子をしばらく見た後、実家にノートパソコンとモバイルルーターをそっと届け、東京への帰路へとついた。
玄関にノートパソコンとモバイルルーターが置いてあるのを見つけたみくりは、平匡を走って追いかけ、平匡に電話を入れる。
帰路についたハズの平匡たちは道に迷ったために遠回りし、みくりがいる場所の一本向こうの道を走っていた。
車を見つけたみくりは、平匡に停まるように話し、平匡が車から降りると、かろうじて姿が見える場所に2人はいた。
2人は必ずまた会うことを約束し、みくりは実家に、平匡は東京へと戻っていった。
リモート大沼田会
2020年5月7日、沼田主催のリモート大沼田会が開催され、みくりと平匡、百合ちゃんと風見、沼田と一緒に暮らす梅原、日野とやっさん、そしてバーのマスター山さんと灰原が参加し、会話が弾む。
《一人一人、どこかで生まれた私たちが、他愛のない話をする。》
《心の中の孤独は、きっと誰もが持っていて、いつまでも消えないのかもしれない。》
《だけど、いつか再び会えた時、少しだけ優しくなって、元気で、助け合えればいい。》
《それぞれの小さな宇宙を抱えて、近くて遠いお隣さんとして、生きていければいい。》
《そうすれば…》
《いつかきっと…。》
みくりと亜江の帰宅
ある日、みくりは亜江を連れて帰ってきた。みんなもうマスクはしていなかった。
歩きたかったので車からはバス停で降ろしてもらい、自宅まで歩いてきたというみくり。
平匡にだっこを変わってもらうと、亜江がグズり出す。
「嫌われてはないですよ。眠いんじゃないかな?」と話すみくりに「平気です。もう焦りません。」と平匡。
平匡はみくりにポツリとつぶやく。
「やり直したいな…。」
「みくりさんから、「この子ができたかも」って、言われた時から。」
「今ならもっと力いっぱい喜んで、力いっぱい亜江を世話して。」
「全部、もっと楽しめば良かった。」
「こんなに近くにいて…。近くにいられるんだから。」
「はい」
返事をしたみくりは両手を広げる。すると平匡も両手を広げる。そのまま2人は亜江を間にはさみ、久しぶりのハグをする。
「長かったですね。」
「うん」
「おかえり。」
「ただいま。」
『逃げ恥新春スペシャル』感想
いやホント、スゴく良くできた内容で感動してしまいました。
よくもまあ、これだけの内容を、2時間にまとめ上げたものだと、感心してしまいますね!
まずはなんと言っても、星野源さんは、医師の四宮でも、4機捜の志摩でもなく、「平匡」以外の何物でもなかったし、新垣結衣さんももちろん深海晶でも小比嘉幸子でもなく 「みくり」そのままで、全くブレのない2人の中に、2016年からそのまま4年の年齢を重ねてきたみくりと平匡を見ることができてホントに大満足です。
基本のストーリーは、連ドラ放送後に連載を再開した、単行本だと10巻・11巻がベースになっているけど、原作執筆時は現状のような新型コロナウイルス禍ではなかったことから、野木さんが後半を追加し今回の作品として仕上げてます。
前半だけでも妊娠や、親になる男女の気持ち、選択的夫婦別姓、百合の病気、みくりのつわり、LGBT、男性の育児休暇など盛りだくさんで、後半は新型コロナウイルス発生から、その間の子育てなど、とても2時間半(実放送時間は2時間2分)の中に納まりきる内容ではないですよね。
できれば、これだけの内容であれば、それぞれをもっと深く描いてもらい、連続ドラマとして見たかったけど、こればっかりは仕方ないよね。
しかし、みくりと平匡の夫婦は、なにがあっても自分本位にならず、お互いをまず一番に考えられるところがホントに素晴らしいね😆
平匡はあんだけ我慢しきれなくなっても、「みくりさんの方が大変だから」という気持ちを絶やさなかったし、みくりも百合ちゃんのアドバイスがあったにしろ、自分の気持ちは一旦置いといて、平匡のつらさを分かろうと努力し、他人の力に頼ってもイイというところに行きついたのだから😀
そして、やっぱり百合ちゃんは大人だなあ。
自分では偏見の塊とか言ってたけど、大人の女はどーたらや、イケメンはどーたらってのは、結局自分に合わない事として、ギブアップする選択ができるって素晴らしいですよね。
頭では分かっていても、色々な思いやしがらみなどで妥協してしまい、ギブアップしたくてもできない人が多いように感じます。
それ以上に、花村伊吹から高校時代の思いを告白されても、特に構えることもなく、また男女差に捕らわれることもなく、普通に声を掛けて病院に付き合ってもらって、嬉しかったよって言える人間力はスゴく魅力的だった。(百合ちゃんが病気で弱っていたというのもあったんだろうけど。)
さらに後半は、現在避けて通れない新型コロナウイルスと、新型コロナウイルス禍での子育てについてが描かれていて、こっちは現在進行形の問題とリンクしていたので、さらに物語に惹きつけられてしまいました。
なにしろ死に至る可能性もある病気の上、新型なためなにも情報がないので、まず子供を第一に考えるのならば、みくりと平匡のように子供が罹患しない手段を選ぶのがベターじゃないでしょうか?
感染力が高いうえ、誰がウイルスを持っているのか分からず、どこかでウイルスをもらってくる可能性が高い以上、感染者数が低い地域に疎開することができる環境や状況が整っているのであれば、多くの人がそうするんじゃないのかな。
そのことで、今回みくりが疎開してから、みくりと平匡との絆がより深まり、お互いを思い合う気持ちが画面を通じて伝わって来て、ホントに感動的でした。
余談ですけど、スマホのデジカメが壊れたからって、普通のデジカメで撮影したデータを一回プリントしてから、スキャンしてクラウドにアップする機材があれば、SDカードから、そのままクラウドにアップできそうなもんですけど…
まあ、なんにしろ森山家にパソコンがなかったのが全ての敗因でしたからね。そしてその弱点を平匡が風見の手を借りて見事に克服したんだから見事なもんですよね。
そして風見が運転免許を取って車を買ったのも、本編にあった百合のセリフからだってのが、またステキでしたし、そのシーンがすぐに思い出されました。
そしてなんといっても、舘山でのみくりと平匡の、1本通りを隔てて(川?海?)の再会は感動的でした!
ギリギリ相手を認識できる距離で、スマホと肉声を使いながらギリギリのコミュニケーションを取る2人の姿を見てると涙が溢れてきました😭😭
とりあえず2人にあれだけ距離があれば、ソーシャルディスタンスもバッチリでしょうから、平匡経由でウイルス感染することもないですからね😄
そして最後はみくりも平匡もマスクをせずにハグしていたので、新型コロナウイルス騒動が終わった世界だったんでしょうね。
この物語において最も重要な、みくりと平匡のハグが、マスクなしですることができる世界を描いたラストはホントに良い終わり方でした。
物語では何年何月かは描かれていませんでしたが、早く安全で安定したワクチンと治療薬が開発されて、物語のラストのようなあんな風な生活が再び訪れることを願ってやみません。
『逃げ恥新春スペシャル』見逃し配信先
『逃げるは恥だが役に立つ 頑張れ人類!新春スペシャル!!』の見逃し配信及び、『逃げるは恥だが役に立つ 新春SP Paravi特典映像集』の配信はParaviでどうぞ。

配信内容、話数などの詳細はサイトにてご確認ください。
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