踊介が去り舞が去り、寿限無が去った上、寿三郎までグループホームへ入所し、観山家に残された観山家の人間は寿一1人となった。
寿一は半年間ひたすら稽古に励み、極限まで自分を追い込んでいた。
ここでは、『俺の家の話』(俺家)9話のネタバレ感想、あらすじ・登場人物などの紹介をしていきます。
8話ネタバレ感想はこちら。

『俺の家の話』(俺家)9話あらすじ
みんなが出て行ってから半年過ぎた観山家には寿一1人で暮らしているのかと思いきや、そこにはさくらや秀生の姿もあった。
そこへ、半年前に家を出た寿限無が突然帰って来たのだ。
「社会に出たら40代フリーターでしかなく、自分には能しかないと気づいた」と話す寿限無の話を聞きながらスーパー世阿弥マシンに着替えた寿一は、寿限無を誘い寿三郎のいるグループホームへと出かける。
スーパー世阿弥マシンに扮した寿一をはじめ、慰問に来たさんたまプロレスのレスラーたちの「肝っ玉、しこったま!」という掛け声に「さんたまー!」とレスラーやお年寄り全員で叫ぶ。
そしてその中にはスーパー世阿弥マシンに持ち上げられる寿三郎の姿もあり、寿限無は泣き笑うような気持ちでそれを見つめるのだった。
一方、寿一と結婚を誓い合ったはずのさくらは、この2週間ほど観山家には来ていなかった。
能とプロレスが頭の大部分を占め、脳の全容量のうち2GBしかさくらに割かれておらず、全く手を出してこない寿一に不満を覚えたさくらはユカにグチをこぼすのだった。
同じ頃、踊介は週刊誌の記者からある写真を見せられていた。その写真に写っていたのは、グループホームの中庭で運動している寿三郎の姿だったのだ。
『俺の家の話』登場人物・キャスト
観山寿一 … 長瀬智也
志田さくら … 戸田恵梨香
観山寿三郎 … 西田敏行
観山踊介 … 永山絢斗
長田舞 … 江口のりこ
O.S.D(オー・エス・ディー) … 秋山竜次
長田大州 … 道枝駿佑(なにわ男子/関西ジャニーズJr.)
観山寿限無 … 桐谷健太
プリティ原 … 井之脇海
堀コタツ … 三宅弘城
長州力 … 長州力
スーパー多摩自マン … 勝村周一朗
ユカ … 平岩紙
観山秀生 … 羽村仁成(ジャニーズJr.)
末広涼一 … 荒川良々
登場人物の詳細はこちら。

9話ゲスト
観山万寿 / ムロツヨシ
観山家 分家の当主。観山家の世継ぎ問題に口をはさみに来た。
鬼塚高吉 / 塚本高史
寿三郎の葬儀を執り行うために寿一が呼んだ葬儀屋。
門弟 / 菅原大吉
観山流の門弟の一人で、寿一をバカ息子と罵倒した。
『俺の家の話』(俺家)9話ネタバレ
「ネタバレ」観山家のお家騒動
寿限無の指導の下、新春能楽会で寿一は初めて「隅田川」を舞うことになったが、油断すると寿一には寿三郎の亡霊が見え「やらせるか!お前なんかに」という声が聞こえる。
寿一は、寿三郎が口にした「継がせないよ、お前なんかに。」と言っていたのが本心なのかが気にかかっていたのだ。
そんな中、寿一は年末に「ホセ・カルロス・ゴンザレス・サンホセJr.」との年末にタイトルマッチ戦が決まった。
年末のタイトルマッチと年始の「隅田川」と立て続けに決まったため、能かプロレスかの決断の時がやってきたと寿一は感じていた。
そこにさくらが現れ、寿一を別室に呼び「私の好きな寿一さんはこういう顔をしています。」と家族旅行で撮影した写真を見せる。
さくらは「最近の寿一さんは近寄りがたい顔をしています。」と口にする。
「介護の経験から、世の中には金持ちだけど冷たい家か、貧乏だけど温かい家の2種類しかないと思っていましたが、観山家は金持ちで温かい家でした。」
「今どうですか?この家、寿一さんしかいない。」
「私は家族に囲まれて、笑ってる寿一さんが好きでした。」
「皆さんを呼び戻してください。金持ちで温かい観山家に戻してください。」
そんなさくらの願いは、寿三郎がお家騒動勃発でグループホームに入れられたという週刊誌の記事が掲載されたことにより、あっさりと叶えられ、まずはO.S.Dと舞が週刊誌を手に訪ねて来た。
更には、分家の当主という万寿が寿一の継承に反対している門弟を引き連れ訪ねてきて、寿一に記事を見せ「戦犯は長男の~♪寿一氏、元プロレスラーの~♪放蕩息子、遺産目当てで今年から~♪父の介護を~♪始めた~♪」と朗々と謡あげたのだ。
この相続問題は週刊誌を飛び越え、テレビでも取り上げられ、さくらやO.S.Dまでキーマンとして取り上げられ、寿一がスーパー世阿弥マシンだとも報道されたのだ。
分家の当主 万寿は、寿一が能楽の神 世阿弥を名乗ってプロレスラーとして活動しているのは、破門 そして永久追放にあたるとし、新たな観山流として「踊介」を押し、新春能楽会で舞ってもらうと話すのだ。
しかし寿限無は寿一が「隅田川」を舞うから問題ないと話すと、門弟から「バカ息子」と罵声が飛ぶ。
「バカ息子しかいねえよ!」そう返す寿一。
「うちにはもう、バカ息子とバカ娘しかいない。」
「だが、それを言っていいのは親父だけだ。あんたらに言われる筋合いはない。」
そう話す寿一の言葉を聞いた万寿は「そういうことでしたら、分家の当主はおいとましましょ。」と言い帰っていくのだった。
寿三郎が危篤に
その日から寿一のプロレスと能の稽古は激しさを増していった。
しかし上手く舞うことができない寿一は、寿三郎がホームに入ってから時々見る寿三郎の亡霊に「黙ってないで教えてくれよ。」と話し始める。
「なんで俺じゃねえんだよ?俺じゃねえんだろ?」
「お前じゃねえって言ってくれよ。そしたら俺、すぐにやめるから。」
寿三郎の亡霊は「家にあらず、継ぐを以て家とす。」と世阿弥の言葉を口にする。
「その家の芸をきちんと継承することによって、その家は続くのである。」
「具体的に言ってくれよ!どうしたら…、芸を継承できるんだ?」
「…さくらちゃんと別れなさい」
「あの女は、観山家に災いをもたらす…。今すぐ別れなさい…。今すぐ別れなさい。」
その言葉を聞いた寿一は寿三郎の足元にグループホームのスリッパがあることに気付く。
「あんた亡霊じゃないな!」そう言い寿三郎の横を見ると手押し車があった。
「ほら徘徊だ。ほら!末広さんからLINEガンガン入ってるよ。」と言うと、寿三郎はグループホームはつまらないから、ここでちょっと休ませてと話す。
その後 世阿弥の演技論について寿一に説き始める寿三郎だったが、畳の上で横になると寿三郎のろれつが回らなくなり、脳梗塞を発症しそのまま在宅治療で危篤状態になってしまった。
みんなが寿三郎の容態を心配する中、寿一は長男だからと葬儀屋と葬儀の段取りを進めたり、遺影の加工をしたりしていた。
その時、心拍数が下がったとさくらが呼びに来たため、寿三郎の枕元に全員が集まり、順番に寿三郎に聞こえるように声を掛ける。
大州の番となり「おじいちゃん、高校卒業したら、錦糸町のガールズバーつれてってくれるって約束したじゃん。」と話しかけると寿三郎の心拍数が上がった…
その後居間に戻った兄弟たちは、寿三郎の戒名を決めたいないことに気づき、寿三郎の元を訪れると、そこには長州力さんがいて寿一のリングネーム・ブリザードから「吹雪院親不孝革命居士」という戒名をつけてくれたのだ。
翌日、観山流の弟子や幹部が寿三郎にお別れを言うため、続々と集まってきた中、寿一はいつもは寿三郎が座っている席に座っていた。
その時寿一は、世阿弥が残した役者の心得「離見の見」という、自分自身を離れたところから客観的に見る心構えで自分を部屋の外から見てみた。
《なんか違うな、あの席は親父の席だ。俺にはまだ早い》
《まだまだ親父には、あそこに座っててもらわなくちゃ困る》
寿一がそんな風に自分自身を客観的に見ていると、さくらがお見送りに来た関係者を寿三郎の元へ案内する。
その後も寿一は「離見の見」で自分を見ていると、見られていた寿一は急いで2階に駆け上がっていったため「だよな。」とうなずくのだった。
一方、危篤状態の寿三郎は、さくらに、能を飛躍的に高め、今日にまで続く能の基礎を作った天才といわれる「世阿弥」の名前を息も絶え絶えに伝えた。
門弟の一人が、「さすがは宗家、最後まで能役者だ」と口にすると、寿三郎は続けて、かすれた声でゆ~っくりと「マ シ ン」と訴えかける。寿三郎は「世阿弥マシン」を呼んでいたのだ。
するとそこに、世阿弥マシンに扮した寿一が現れ、マスクを取り「何を隠そう、私ことスーパー世阿弥マシンの正体は深山寿一です。」と正体を明かしたのだ。
しかし、舞や踊介ばかりか、O.S.Dや大州まで、すでにそのことを見抜いており、みんな見て見ぬフリをしていたのだが「今ので終わったよ、台無しだよ。」と告げる。
そんな寿一の姿を見た門弟の一人は「ついに白状したなこのバカ息子」と詰め寄ってきたが、寿一の頭の中をグループホームで「肝っ玉、しこたま!さんたまー!」と世阿弥マシンの姿で叫んで、担ぎ上げた時の寿三郎の嬉しそうな顔がよぎる。
寿一は詰め寄る幹部を押しのけ、寿三郎の横に立ち「肝っ玉、しこったま!」と声を掛け、「さんたまー」と帰ってくるのを待つと、驚いたことに寿三郎の心拍数が上がってきた。
それを何度か繰り返していると、なんと寿三郎の手が上がり、かすかに「さ ん た まー」と声を出したのだ。
2021年12月31日の大晦日、奇跡的に元気を取り戻した寿三郎に、寿一は2度目の引退試合に臨む前に「肝っ玉、しこったま!さんたまー!」と掛け声をかけて試合会場に向かっていった。
その後、控室での準備を終え、リングへ向かっていくスーパー世阿弥マシンの後姿を、着物姿のもう1人の寿一が見送っていたのだ。
『俺の家の話』9話 感想
なんか、今回は寿一の昔のリングネームにちなんだ戒名が決まったり、まるで離見の見によって、幽体離脱をしているかのように、寿一を見ている寿一の姿があったりと、次回の最終回にまるで寿一が亡くなるかのようなフラグを立てまくっていたのが非常に気になります。
これは宮藤官九郎さんのミスリードだと思いたいです。
っていうか、絶対にミスリードに違いないと思っていますけどね。
または、プロレスラーとしての深山寿一が死んで、深山流宗家の寿一として生きていくという意味を込めているのかも知れません。
***
さてさて、今回も小ネタ満載で笑わせるところは笑わせるけど、泣かせるところはしっかりと泣かせるという、クドカンワールドが全開でした。
そしてさすがは女にだらしない寿三郎だけあって、危篤で心拍数が下がっても、ガールズバーとか女性がらみの声を聞くと、心拍数が上がるとか、せっかく上がった心拍数が、踊介の「俺の土蜘蛛も見てくれよ」という言葉で下がったりとか、定番ネタだけど面白かったですね。
一方こちらも定番ですが、危篤の寿三郎に舞が掛けた「天国で母さんに会って謝ろうなんて虫のいいこと考えてるかもしんないけど、あんた行くの地獄だからね!それが嫌なら目を覚まして!」という訴えかけは感動的でした。
その後一人ずつ寿三郎に思いを告げていくシーンも感動的でしたが、なによりも寿三郎に奇跡が起きたことに一番感動しました。
もしかしたらこれは、それまで長男として寿三郎の葬儀の段取りなどを率先して行っていたのが、離見の見で自分の姿を見て、まだまだ自分には寿三郎が必要だと寿一が気付いたことで、寿三郎がデレて戻ってきたのかもしれませんね。
次回いよいよ最終回だけど、できればこのまま誰も亡くなることなく、その先の出来事は物語の先に送って、ハッピーエンドで終わって欲しいです。
そして、芸能界から引退して裏方の世界に引っ込むというい宣言をしている長瀬さんも、長州さんのセリフにあった「レスラーなんて何回引退しても何回もカムバックすりゃいいんだよ」みたいに、引退後もまたカムバックして欲しいですね。
10話・最終回ネタバレ感想はこちら。

全話ネタバレ感想はこちら。

『俺の家の話』10話・最終回 予告・あらすじ
グループホームを抜け出し観山家にやってきた寿三郎(西田敏行)は、3度目の脳梗塞で危篤に・・・。
多くの門弟や家族たちに囲まれ、最後の時を迎えようとしていた寿三郎の前に、いままで正体を隠してきた寿一(長瀬智也)がスーパー世阿弥マシンとして現れる。そして「肝っ玉!しこたま!さんたま!」の掛け声で、奇跡的に寿三郎は一命を取り留める。そして寿一は新春能楽会で舞う予定の「隅田川」の稽古に励んでいた――
引用:https://www.tbs.co.jp/oreie_tbs/story/
『俺の家の話』見逃し動画配信サービス
『俺の家の話』の見逃し配信はParaviでどうぞ。

配信内容、話数などの詳細はサイトにてご確認ください。
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